妄想バー III

寒汰が11月に某KTVバーに行ったことに関して、某グループで話題になった。そのコメントをご参照いただきたい。


Aさん> 女子大生10人に囲まれたと言っていますが、写真に写っているのはどうみても中年のおばさんですw

Wさん> 10人全員が学生だって言ったのかよ?

Yさん> 絶対に話すらしてないでしょうw

Sさん> いよいよ妄想幻魔大戦の域に達してきましたねw

Fさん> ローカルバーと相変わらず寒汰は言っていますが、どう見てもインターナショナルなKTVバーですw

Yさん> 寒汰は英語のローカルの意味を知らないんでしょうw

Fさん> 客同士で楽しむのがアメリカ式遊び方、けちっては楽しめないという寒汰物語の指摘を見て必死で反論してるようですね。

Yさん> 英語が全くできない寒汰が他の客と交流するのは無理。ましてや人気者になるのは無理w

Tさん> 寒汰が他人を楽しませた話なんてこの9年間、誰からも聞いたことがないw 楽しませたなんて架空交流でしょうねw

Fさん> 相変わらず嘘で塗り固めたブログですねw

結果的には、ローカルのバーでも3人で一夜一軒4000ペソ。それを連日やっていましたから『熱烈歓迎!』でした。

Aさん> 一夜って事は数時間店に居座ったんでしょうねwいくら使おうがチップをばら撒かなきゃ歓迎されないでしょう。

Wさん> 3人で4000ペソって10人にLDを飲ませた金額じゃないよね。

Fさん> 確かに痛すぎw 店で金を使ったことがないから値段が全くわからないでしょうw

Aさん> 「この糞ケチ野郎、迷惑だからさっさと帰れ」って10人に囲まれたなら理解できるけどw

Sさん> 3人で4000ペソくらいで威張らないで欲しいんですがwww

Sさん> マニラのレストランで3人で飯くって普通に4200ペソだったんですがw

Tさん> ドケチの寒汰には4000ペソは天文学的に大きな数字なんでしょうね。

Fさん> その4千ペソも嘘でしょw 本当は1000ペソくらいでチビチビ飲んでたと思われw

Yさん> 店で金を使ったら他の客と仲良くなれると勘違いしてるのが痛すぎますw

Fさん>  隣に団体客が居て、そこに座ってた女を片っぱしから視姦してただけでしょう。金も使ってないし、女とも他の客とも全く話してない。会話内容がブログになにも書いてないのがその証拠w

Wさん> 煩い店は嫌いだって言ってなかったっけ?MBCも煩いけどw

Fさん> 寒汰はいつも矛盾だらけw 馬鹿だからそれに気づいてないw

塩っぱいもの、脂っこいもの、こんなものを勧めてくれるのは、現地在住の自身高血圧のお方。体に悪いんですが美味いもの、私の好きそうな喜ぶものを熟知しているのです。

Wさん> 在住の人も「これ食ってさっさと死んでくれ」と思ってそうですね。不味い物は寒汰に食わせれば喜んで食うぞwみたいなww

Fさん> Sさんも寒汰には早く死んで欲しいでしょうねw

Wさん> 客が客を招く店に基地外が行ったら迷惑だと思うのだがw

Yさん> 呼ばれてもないのにエルミタクラブのオフ会に押しかけてくるし、自分が迷惑だと全く理解してないですね。

Wさん> ホテルのラウンジと真逆ですね。札幌ではよくホテルで飲んだ。家から近くて車で行けるからwフィリピンのホテルのラウンジってわざわざ飛行機に乗っていくような所か?まぁ寒汰の言うところのラウンジは「ホテルの朝食を食べるところ」だと思いますけどw

Yさん> 値段が同じだからって一人で二人分食うんでしょうw 食い意地はってるからw

Wさん> ホテルのラウンジでSMBを飲むと300ペソ++くらい掛かると思う。

Fさん> あのドケチが払うわけないですねw

Sさん> ホテルのラウンジだけは来てほしくないなあwww

Wさん> ホテルのラウンジは見栄張ってるだけでしょう。安い水牛ステーキを探す男は100パーセント行くような場所じゃないと思う。精々3スターの朝飯食べる場所で飲む程度しか考えられない。

Fさん> そうそう、どうせ見栄をはってるだけ。寒汰はホテルのラウンジなんか一度もいったことないでしょう。

Tさん> 以前も、バーでマティーニを飲むのが趣味だ、と書いていたことがあります。マティーニは寒汰が名前を知っている唯一のカクテルなのでしょう。見栄をはる時は「バー」とか「ラウンジ」と言う癖があるようですねw 古ぼけたセンスですねw

Yさん> カッコつけて書いても、その後一度も同じ話題がでないってことは大嘘ですねw

Fさん> お洒落したいなら、ホテルのラウンジよりもっといいところ行けよw

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寒汰は女子大生10人に囲まれた、他の客に熱烈歓迎された、ホテルのラウンジに行くのが好きだ、と誰が見ても分かる嘘ばかり書いているのだが、根っからの嘘つき寒汰のブログ内容は最近ますます嘘の度合いが増えているようである。

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この世に生を受けたばかりの赤ん坊を侮辱し、死んだ方をパスポートをネットで晒し冒涜する寒汰の非人道的行為については下記のエントリを御覧ください。

死者への冒涜

人の誕生と人間としての矜持

絶句レベルの寒汰の公開オナニーの詳細に関しては以下のエントリを御覧ください。

絶句!釧路臭皇・公開オナニー事件

伝説の寝たきり男と寒汰の対決は下記のエントリを御覧ください。

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妄想バー II

2011年11月、マニラKTVバーに来ていた寒汰は興奮しきっていた。

「ゲヒーーーー!俺、凄い!俺、ローカル(な店)に来た!俺、凄い!ゲヒーーーーー!」

実際は外国人も意識しているインターナショナルな店だが、日本語しかできない寒汰は日本人客が少なければ「ローカル」な店だと思い込むようであった。

そもそも普通の人間はその店がローカルかインターナショナルかなど意識しない。どちらでも変わらないからである。しかし、英語もタガログ語も一切できない寒汰にとっては日本語が通じるかどうかが、すべてに優先する判断基準のようだった。

普通の人間なら何気なく来ることが可能な店でも、寒汰にとっては清水の舞台から飛び降りるほどの大冒険をしているつもりなのだろう。英語もタガログ語も一切できない男の悲しさだった。

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寒汰が見ていると隣のテーブルのオーストラリア人の客たちが盛り上がっていた。それを見て寒汰は叫んだ。

「ゲヒーーーー!俺のおかげでアメリカ人客が盛り上がってるぞ!俺、凄い!凄すぎる!ゲヒーーーー!」

オーストラリア人は英語の訛りがきつく、話をきけばすぐわかるのだが、語学力が一切ない寒汰にそんなことが分かるわけがなかった。寒汰は白人を見れば全部アメリカ人と思い込んでいるような男なのだ。

さらに、隣のテーブルの客は別に寒汰になんの関係もなく盛り上がっているのだが、異常なまでの自意識過剰な寒汰は、それが自分のおかげだと思い込んでいた。

寒汰は異常なまでのドケチで、KTVバーに来ても女は席に呼ばず隣のテーブルの女を視姦し、ドリンクは絶対に一杯しか頼まなかった。

しかし、あまりのどケチさを馬鹿にされ続けた寒汰は見栄を張ってブログにこう書いている。

飲みますよね。そして食べます。
結果的には、ローカルのバーでも3人で一夜一軒4000ペソ。
それを連日やっていましたから『熱烈歓迎!』でした。

3人で一晩4千ペソなど、全然大した金額ではない。むしろ少ない額と言えるかもしれない。異常なまでにドケチの寒汰は豪勢に飲み食いしたらどれだけの金額になるのか想像もつかないのだ。

さらに言えば、別に金を使ったからといって他の客に受けるわけではない。

他の客と盛り上がるには、コミュニケーションしないと始まらないのだが、英語が一切出来ず、さらに言語以前のコミュニケーション能力が決定的に劣る寒汰にはそんなことは至難の業だった。

「ゲヒーーーーーー!お前らアメリカ人(実際はオーストラリア人)盛り上がってるのは俺のおかげ!俺凄いだろう!俺を尊敬しただろう!ゲヒヒヒヒヒ!」

寒汰が一方的に日本語でまくし立てても、彼らオーストラリア人の客たちは汚らしい物を見るかのように寒汰を眺めるだけであった。

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「あ・魔尼羅(マニラ)」(仮名)でもパライソ(仮名)でも、寒汰がオフ会に来ると場が盛り下がった。寒汰の話は明らかな嘘と知ったかぶりばかりで、あまりにつまらないのだ。寒汰は語学力以前のコミュニケーション能力が根本的にかけており、他人を楽しませることが一切できなかった。他人に不快感を与えるだだけの男である。

呼ばれてもおらず、知り合いすらいないのに突然ホラミタクラブのオフ会に押しかけて不興を買ったのは Joe さんが証言するとおりである。

日本語でも他人に不快感しか与えない男、寒汰。そんな寒汰は英語もタガログ語も一切できない。それで他人を楽しませるというのは象が針の穴を通るより難しいのだが、妄想大魔王寒汰は、真逆の勘違いをしていた。

他人が不快に思っているのを「俺のおかげで楽しんでいる」と勘違いするのだ。

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不快そうにしているオーストラリア人客にラプ子が謝った。

「ご迷惑をおかけしてすいません。この人、頭がおかしいのです。狂っています。奇行がお目障りだとは思いますが、どうぞお許し下さい。」

「そうだな、この男は見るからに頭がおかしいな。君はどうしてこんな男と一緒にいるんだ?この男のガーフフレンドか?」

「絶対に違います。私はこの男に雇用されたただのガイド兼通訳です。いくら金のためとはいえ、こんな不快な仕事はもう断ろうと思っています。」

「君も可哀想だな。しかし、この気持ち悪い男は昨日も店に来ていたが、連日来ているのか?また明日も来るのか?」

そこで、ラプ子は寒汰に聞いた。

「ちょっと、あんた、昨日も今日もこの店に散々迷惑をかけてるけど、まさか明日も来るつもり?」

それを聞いて寒汰はまた勘違いした。

「ゲヒーーーー!俺、凄い、俺、隣の客にまた明日も来てくれと頼まれた!俺、凄い!俺、人気者!俺、偉すぎる!ゲヒーーーーーーーーーーー!」

大声で叫ぶ寒汰のあまりに気持ちの悪い姿に、ラプ子とオーストラリア人客は唖然としていた。

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この世に生を受けたばかりの赤ん坊を侮辱し、死んだ方をパスポートをネットで晒し冒涜する寒汰の非人道的行為については下記のエントリを御覧ください。

死者への冒涜

人の誕生と人間としての矜持

絶句レベルの寒汰の公開オナニーの詳細に関しては以下のエントリを御覧ください。

絶句!釧路臭皇・公開オナニー事件

伝説の寝たきり男と寒汰の対決は下記のエントリを御覧ください。

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妄想バー I

寒汰はこの日もKTVバーに来ていた。

「ゲヒーーー!俺、ローカルの店に来ている!俺、現地人と交流している!俺、凄い!俺、凄すぎる!ゲヒ!ゲヒ!ゲヒーーーーーー!」

寒汰はまるでシャブを打った直後の人間のように興奮しきっていた。

ところで、このKTVバーは別にローカルな店というわけではない。外国人客も多く、どちらかというとインターナショナルである。だいたいフィリピン人対象のローカルな店ならばメニューに天ぷらやら刺身があるわけがない。

しかし、英語もタガログ語も一切できず、マニラでも9年間日本語の通じる店にしか行ったことがない寒汰は

日本人専門の店 = インターナショナル

それ以外の店 = ローカル

と思い込んでいた。

アメリカ人対象の店であろうと、オーストラリア人だらけの店であろうと、寒汰は日本人が少ない店を「ローカル(の店)」と呼んでいた。寒汰の思考回路では世界の中にフィリピンと日本というたった二カ国しか認識されないのだろう。

釧路のド田舎しか知らない寒汰の国際感覚はその程度ということであろう。

異常なまでにドケチの寒汰は今日も女を席に呼ばず、隣のテーブルの客についている女を舐め回すように見ていた。

「ゲヒーー!俺、賢い!金を使わずに女を視姦して楽しむ!俺、頭いい!俺、凄い!ゲヒーーーー!」

蛇蝎のようにに女に嫌われる寒汰は釧路のスナック舞子でも誰にも席についてもらえず一人放置されていた。そんな寒汰にとっては女が自分の席についてくれるか、隣の客についているかは関係ないのだろう。どうせ口もきいてもらえないのだから。

寒汰に無理やり連れてこられていたラプ子(寒汰が雇っている通訳兼ガイドの元じゃぱゆき女)とS氏は寒汰の相も変わらぬ異常な振る舞いに呆れ返っていた。

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「ゲヒーー!あっちのテーブルは女が10人くらいいるぞ!俺はあの隣のテーブルに座る!10人を視姦しても同じ値段だからな!俺、頭いい!俺、凄い!ゲヒ!ゲヒ!ゲヒーーーー!」

寒汰が勝手にテーブルを移動したので店員が不服そうに文句を言ってきたが、文句を聞くのはいつもラプ子の役割だった。英語もタガログ語も一切できない寒汰は店で迷惑行為をおこなっても、全く気にしない。なにせ、文句が理解出来ないからだ。さらに言えば語学以前のコミュニケーション能力が決定的に劣る寒汰は日本語で注意されても理解出来ない可能性が高いが。

いずれにせよ、寒汰と店に行くとラプ子はいつも寒汰の尻拭いで店の人間に叱られてばかりだった。いくら他に仕事がないからといって、毎月毎月こんな臭くて気持ち悪い男の尻拭いばかりでは、気が狂いそうになってきているのを感じていた。

(寒汰と同伴する人間がいつも寒汰の代わりに叱られるはめになる例は、こちらの「4時間平謝りの代金は500ペソ」のエントリをご参照いただきたい。)

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寒汰は勝手にテーブルを移動して、隣のテーブルに居る女10人を上から下まで舐め回すように眺め、時にはしゃがみ込んでスカートの中を覗き込んで興奮していた。

「ゲヒ!ゲヒ!ゲヒーーー!俺、女子大生10人に囲まれてる!俺、凄い!俺、モテモテ!ゲヒーーーーー!」

別に囲まれているわけではない。寒汰が隣のテーブルから勝手に視姦しているだけである。

さらに言えば女というのも写真のような、おばさんばかりで、どう見ても女子大生ではないのだが妄想大魔王寒汰の目には女子大生に見えるらしかった。マニラベイカフェに屯しているストリートチルドレン同然の汚い売春婦が、金持ち子女が通う名門デ・ラ・サール大学に通う金持ち女子大生に見える寒汰にとっては、それくらいの脳内変換はたやすいことなのかもしれない。

「今夜も、興奮して眠れないぞ?ゲヒーーーーー!」

寒汰は店中に聞こえる声で叫んだ。店に居た誰もが、訝しんで寒汰の方を睨めつけたが、寒汰はそれが賞賛されてると思ってますます興奮した。

なお、寒汰がこのKTVバーに行ったのは11月のことであり、ブログエントリを書いた2011年11月27日には釧路に居た。一日中どこにも出かけず、家賃6万3千円の臭い2DKの部屋に閉じこもって朝から晩までオナニーしていただけである。外に出かけたのは昼前に臭皇に顔を出したのとセイコーマートの弁当を買いに出かけた時だけである。

これらのことは臭皇の現役大学生の従業員カイジくん(仮名)からの通報でバレバレなのだが、根っからの嘘つきの寒汰は11月27日にマニラに居たと偽っているのである。

なお、実際には寒汰は11月18日に釧路に戻っており、次にマニラに向かったのは本日12月3日である。臭皇の現役大学生の従業員、カイジくんの正確な通報にはいつも大変感謝している筆者なのである。

ともあれ、11月のKTVバーでの寒汰の奇行について次エントリでも引き続き書いていきたい。

(続く)

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この世に生を受けたばかりの赤ん坊を侮辱し、死んだ方をパスポートをネットで晒し冒涜する寒汰の非人道的行為については下記のエントリを御覧ください。

死者への冒涜

人の誕生と人間としての矜持

絶句レベルの寒汰の公開オナニーの詳細に関しては以下のエントリを御覧ください。

絶句!釧路臭皇・公開オナニー事件

伝説の寝たきり男と寒汰の対決は下記のエントリを御覧ください。

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言語マジック (モーセに並ぶ男 II)

モーセが割れた紅海を進むかのごとく、寒汰はLAカフェ(現マニラベイカフェ)の中を進んだ。

あの混み合った店内が、寒汰の行く手だけさーーーっと人がいなくなる光景は圧巻であった。

寒汰に付き従うのは、マニラに来るのがこれが二回目というノボル(暗黒アルピニストNOBORUさんとは全くの別人です)であった。

「寒汰サは、ほんに凄い人でげすな〜。オラは感心しただ。」

と、ノボルは変な東北弁でしきりに感心していた。

そこにいる誰もが、寒汰を異常に嫌っていて我先に逃げ出そうとしているだけとは、フィリピン初心者のノボルには気がつかなかった。

やがて、寒汰はマニラベイカフェのカウンターに陣取ると、持ち込んできたJINROチャムシルをガブガブ飲み始めた。

そして、こうノボルに愚痴り始めた。

「クソっ、小向美奈子が俺の知っている店に現れたというから、予定を早めてマニラに来たというのに、小向美奈子なんかいやしない。俺の予定では今頃小向美奈子と変態SEXをしてるはずだったのによ!クソッ!」

寒汰は、1) ケバイ色っぽい姉ちゃん 2) シャブ好きの女 3)有名人が何より大好きであった。

その三拍子揃った小向美奈子が「俺の行きつけの店」の日本料理店に居たと報道されたものだから、寒汰はこれを運命と感じた。そして居ても立ってもいられなくてマニラにやってきたのだ。

ちなみに、寒汰をはじめとしてフィリピンに通う日本人の多くの行動範囲は異常に狭い

日本語の通じる環境から30分以上離れては生きていけない人間たちだから、行く店も恐ろしく限られる。

マニラが初めての小向美奈子がその恐ろしく狭い範囲内の店に立ち寄るのは運命でもなんでもなく必然であった。

語学ができない人間が住む世界は異常に狭いのである。

「そうでやんす。寒汰さがせっかく、マニラまでお越しになったというに、小向は全くけしからんでゲスなあ」

ノボルが相槌を打った。ノボルは寒汰のあまりに偉そうな態度を見て、寒汰がフィリピン買春界の巨人だと思い込んでいた。正確には巨人というよりは狂人であるのだが。

「クソっ、俺が来たのに小向美奈子は店にいないじゃないか。俺がわざわざ来てやったというのに。クソっ。あれは店がガセネタを流したんだ。客集めのためにガセネタを流したに決まっている! 俺、怒る!ゲフーーーーー!」

別に小向美奈子は寒汰のことを知ってるわけではないし、たとえ知っていても絶対に寒汰のことを待つわけがない。

ましてやどんなに金を積まれても、寒汰のような気持ち悪い男と変態SEXをしなければならない義理など微塵もない

しかし、ギネスブック級に自己中心的な寒汰は、こういう常軌を逸した計画を勝手にたてて、思い通りにならないと(思い通りになるはずもないのだが)すぐに周囲に当り散らすのが常であった。

そもそも、店が客集めのためにガセネタを流したなど、濡れ衣もいいところである。どんなことでも他人のせいにしないと気が済まない寒汰は、こういう濡れ衣をかぶせるのも大好きであった。

こういう狂った寒汰の行動のせいで売上が落ちた店も少なくない。寒汰はまさに歩く害悪であった。

寒汰はまたJINROチャムシルをガブガブ飲んだ。

「ゲフーーー!おい!ノボル!お前もな、俺みたいな立派なフィリピンベテランになりたかったら、もうちょっとタガログ語を覚えろ!」

「はいっ!そうでやんすな。オラのタガログ語じゃ、まだまだ寒汰サのよな立派なフィリピンベテランには程遠いだ。」

またしてもノボルは変な東北弁で答えた。

実のところ、今やノボルの方が寒汰よりタガログ語ができるのであった。しかし、日本語環境にいる時の寒汰の態度のあまりのでかさに、ノボルのような初心者は案外簡単に騙されるのであった。

ところで、アコとディバの二単語しかタガログ語ができない寒汰が「タガログ語を学べ」と偉そうに説教する話はフィリピン関係のネットでは有名な笑い話であった。「あ・魔尼羅(マニラ)」(仮称)のメンバーも、パライソ(仮称)のメンバーも、TOSHIYAさんも裏では嘲笑っていた。

他人に偉そうに説教するくせに自分は全く英語もタガログ語もできない寒汰は売春婦ともろくにコミュニケーションできなかった。

だから寒汰が連れて帰る女はいつも日本語が話せるじゃぱゆき経験者ばかりだったのである。

寒汰はブログでいつも「俺はじゃぱゆきが嫌い!」と書いていたが、その実、寒汰はそのじゃぱゆきとしか会話できないのであった。

寒汰がじゃぱゆきが嫌いというのは、例によって「俺、じゃぱゆき以外が好き -> 俺、英語もタガログ語も堪能」というありもしない能力を喧伝するためのごまかしなのだろう。

だいたい、EDSAが「エッサ」に聞こえたり、モーニングセットが英語だと思っている程度の語学力で英語やタガログ語が堪能というのには無理がありすぎるのだが、寒汰本人にはそれが全く分かってなかった。

「クソっ、あのコーヒーショップのウェイトレス。俺がモーニングセットと言ったのに無視しやがって。クソっ、ゲフッツ!」

寒汰は今日、朝に立ち寄ったカフェで起こった出来ことで愚痴っているようである。

寒汰はモーニングセットをオーダーしようとしたのだが、ウェイトレスが理解できなかったのである。

ちなみにウェイトレスは無視したのではない。モーニングセットなどという和製英語が理解できなかっただけである。

「あんな女、どうせ精子臭い女、こっちから願い下げだ!クソっ、ゲフーーーーーー!」

願い下げもなにも、ウェイトレスは寒汰に最初から気なんかないのである。

金をいくら貰っても寒汰のような気持ち悪いオヤヂの相手をするのだけは勘弁だった。

なにせまだ30歳の頃、毎日キャバクラに通いつめたのに、店の女全員に「気持ち悪い。あんな奴の席には絶対につきたくない」と蛇蝎のように嫌われていた寒汰である。

57歳になった今は気持ち悪さをさらに増していた。いくら金のためならなんでもするフィリピーナでも、寒汰みたいなオヤヂとだけは絶対に接触すらしたくないと思っていた。

寒汰に直に会ったことのある女性は皆言うのだが、寒汰はこの世のものと思えないほど気持ち悪い。

女が生理的に受け付けない気持ちの悪い男とは寒汰のことを言うのであろう。

自分が相手にされないと、すぐに「ヤリマン」とか「パンパン」「精子臭い」など、とんでもない負け惜しみを言うのも寒汰の特徴であった。

世界中の子供さえ知っているイソップ童話の sour grapes すら寒汰は知らないようである。

「いいか?ノボル?俺のようなモテモテのフィリピンベテランになるのに修行は厳しいんだぞ!俺みたいに女心をつかむのは、お前みたいなボンクラでは簡単ではないんだよ!」

日本でもフィリピンでも女性に蛇蝎のように嫌われている寒汰がどの口で女心のつかみ方を偉そうに説明するというのだろうか。

しかし、これは実は寒汰に限らなかった。日本では女性に死ぬほど嫌われている男が、フィリピンに通いだした途端に偉そうに女の口説き方を語るようになるのは珍しくない。

理由は二つあるだろう。一つはフィリピン・スーパーマン効果

フィリピン人はあまりに見え透いたお世辞言う。あまりに見え透いているので普通は吐き気がする。

しかし中にはそれを真に受ける男が居て、そういう男はだんだんと自分が素晴らしいモテモテ男と勘違いするようになるのである。

母親以外の女性から声をかけられたこともない醜い気持ち悪いオサーンが、「イカウポギーな」と一万回言われるうちに本気で自分が男前だと信じこむよになるのである。

まさに豚も木に登る。いや、豚が太陽圏外まで飛び出していくようなものである。

このフィリピン人独特の過剰なお世辞に加え、フィリピン嵌りの日本人のスペックがあまりに低いことも勘違いに輪をかける。

(ごく一部、素晴らしい外見や才能をもった人もいますが、やはり例外的存在です。)

周囲のフィリピン嵌りの男もあまりにレベルが低いので、自分が素晴らしい人間になってしまったと、どうしても勘違いしてしまうのである。

さらに加えて、オサーンたちは、自分たちの低スペックぶりを自慢しあうのが勘違いに拍車をかける。

フィリピン嵌りのオサーンが、呆れるほどに女扱いがひどかったり(女心云々以前に人間としてのマナーがなってない)、凄まじいファッションセンスをしていたり、異常にドケチだったり、ワガママや非常識が甚だしかったり、そんなことは世間からみれば人間としてクズにも等しいことなのであるが、寒汰のような人間は、逆にそれが偉いことだと勘違いしていた。

フィリピンに嵌りたて人間は、オサーンたちがファッションの趣味の悪さを自慢しあったり、ドケチ自慢しあったりするのに最初は凄まじく違和感を覚えるのだが、いつしかそういう人間も同じように堕落自慢をするようになるのが常であった。

(オサーンたちが低スペックを自慢しあったり、例外的に高スペックな人間を攻撃するのは、堕落した自分を直視しない、堕落した自分を安心さえるための自己防衛とも言えるだろう)

そもそも、買春ベテランを自慢する時点で人間のカスである。暗黒のオーラに囚われた人間は、そんなごく普通の常識にも気づかないようになっているのである。

かくいう筆者も、今やどれほど正気を保っているのか全く自信がない。少なくとも今の仕事をしておらず、フィリピンとしか接触がない人間なら、自分が寒汰すら超えるスーパーマンだと思い込んでいただろう。

なにせ、ハードディスクとメモリの区別もつかない男がコンピュータのエキスパートを名乗り、モーニングセットを英語だと思っている男が「俺、英語が流暢!俺、偉い!」とふんぞり返る世界なのである。

勘違いしない方が不思議なほどかもしれない。

さらに、もう一つ、寒汰のような人間がが勘違いする理由がある。それはミスコミュニケーション、ディスコミュニケーションだ。

たとえば寒汰のような汚い臭いオサーンにはフィリピン女どもも露骨に嫌悪感を示す。しかし未だに英語もタガログ語も全くできない寒汰は彼女らの嫌悪感あらわの言動を全く理解出来ないのである。

いや、理解出来ないどころか、逆の方に勘違いすらするのである。

「バホバホモタラガ!プータンイナモ!」

という罵詈雑言が、寒汰の耳にはこう聞こえる。

「私、あなたのことが好きで好きでたまらないの。私バカになっちゃたと思うくらいなの。寒汰様、私、あなたと早く結婚したいの。早くあなた様専用の性奴隷になりたいの」

言語の境界を越える時に起きる言語マジックである。

実のところ、国際結婚や国際恋愛が意外とうまくいく理由は、こういう都合の良い勘違いがあるからだと筆者は考えている。

いや、男女の仲に限らず人間同士のコミュニケーションというものは、多少のミスコミュニケーションがあった方が円滑になるのである。

全部相手に正確に意味が伝わったら、とげとげしいし、いつまでたっても話が終わらなくて大変である。

ただ、それにしてもだ、寒汰のような自称フィリピンベテランの勘違いは、想像を絶するものがある。

180度違うどころか、全く別のストーリーに変換してしまうのである。

その証拠に、寒汰のブログに書かれる女性の発言は、フィリピン人なら絶対にしないような発想、変な和製英語だらけである。寒汰の脳みそには、実際の女の言葉は1%すら伝わっていないのであった。

たとえば、寒汰が数カ月前にマニラのカラオケを連れ回した女がいる。名前を明美(仮名)と言う。

明美は寒汰のことを嫌で嫌でしょうがなかったが、数日間客もなく、やむにやまれず、寒汰に買われることになった。ただ、さっさとやることだけやって早く帰りたかった。

それなのに、寒汰は何時間も明美をマニラ中引っ張りまわしたあげく、最後には500ペソぽっちだけ渡したのである。

明美は憤慨した。激怒した。半端なく怒り狂った。

そして、寒汰に「数時間も連れ回したのだから、その分の対価はちゃんと払え」と文句を言った。

数時間、異常に気持ち悪く臭くて汚いオヤヂに付き合わされたあげく、たったの500ペソしかもらえなかたのである。

明美が怒るのも当たり前であった。

ところが、この件に関して寒汰ブログには、こう書いてある。

(明美が)「ホテルに連れて行け!」「朝まで泊めろ」「3Pで楽しませるから、もっと金をくれ」と言うのを振り切った。「ホテルに連れてけ!」と言われても「嫌だ!」なのだ。

実のところ、明美はホテルに連れていけなどと、一言も言っていない。

「何時間も連れ回したのだからその対価をくれ」と言っているだけである。

それが、寒汰の脳内では上記のように、明美がSEXしたくてたまらないように聞こえるのである。

ここまでの身勝手な解釈ができるのは、さすがのフィリピンベテランの中でも寒汰くらいであった。

ともあれ、これほどまでに女から嫌われている男が、「女心とは…」と説教をたれることができるのがフィリピンという国の摩訶不思議さであった。

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さて、さすがに、この頃になるとノボルもだんだん、寒汰のことを少し不審に思い始めていた。

そもそもあまりに偉そうだし、その割には、肝心の情報もテクニックも全く披露しようとしないのである。

披露しないどころか、そもそもそんなものは全く知らず、ただハッタリをかましているだけではないかと思えてきた。

ジプニー (一人二役 III)

寒汰は今週からまたマニラに来ていた。

小向美奈子の件でマニラが話題になっているので我慢しきれず、予定を早めてマニラにやってきたのだ。

寒汰はバカの一つ覚えでマニラにだけ来る。

なぜならマニラ以外の場所には行き方も分からないからだ。

寒汰にはもう一つバカの一つ覚えがある。それはテレビとネットをずっと見ることだ。

店の従業員からは邪魔者扱いされ、友人は一人も居ない寒汰は、日本に居るとき、ずっとテレビを見てネットを荒らしまわるくらいしかやることがなかった。

寒汰の生活は、半分がフィリピン買春(ただし日本語の通じる範囲内でだけ)、残りの半分がネット荒らしとテレビ(主にワイドショー)であった。

そのテレビで、マニラの話を連日連夜やっているのである。

しかも話題の主はあの小向美奈子だった。

寒汰の特徴は

  • ケバイお姉ちゃんが好きで好きでたまらない
  • シャブをやっている女が誰よりも好き
  • 有名人と絡んで自分が有名になりたい

なのである。

今はマニラで小向美奈子を買って性奴隷にすることしか頭にないのである。

今日もマニラで寒汰は小向美奈子を買おうとしているようである。

ともあれ、寒汰はまたパサイの日本食料理屋エダモト(仮称)に来て一人二役でブツクサと気持ちの悪い独り言を言っていた。

友人が誰一人として居ない寒汰は自分と会話するしかやることがないのだ。

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「いいか?日本人はフィリピン人が来るような場所で遊んじゃいけないんだ。外国人である日本人がな、フィリピン女といちゃいちゃしてたら感じが悪いだろう?昭和40年代まで日本の田舎には米軍兵士しかいなかっただろう?その米軍兵士がパンパンといちゃついていたら俺は気分が悪いからな!」

「すごい!すごい!寒汰さん、日本の田舎まで知り尽くしてるんですね!」

「ゲヒーーー!俺、褒められた!俺、物知り!俺、偉い!!」

寒汰は自分で自分を褒めて喜んでいた。他に誰も褒めてくれないからである。

ところで、寒汰は日本人女性が外国人と仲良くしているのがとにかく気に入らなかった。

なにせ寒汰自身は生まれてこの方、日本人女性に全く相手にしてもらったことがないのである。

日本女性は自分を全く相手にしないのに、なぜ外国人の男には簡単に体を許すのか、寒汰には不満でたまらなかった。

そこで、寒汰は外国人と付き合う日本人女性は全てパンパン(ヤリマン、売春婦)だと思うことにした。

そして、彼女らが相手にする外国人は全て米軍兵士だと思っていた。

昭和40年代ともなれば、日本の各地にいる外国人の圧倒的多数は米軍ではなく民間人だった。

頭の中が昭和40年どころか、昭和20年代前半で止まっている寒汰なのであった。

寒汰が見ているフィリピンは現実のフィリピンではなくて、寒汰の妄想の中にある似て非なる別の国なのと同様、

寒汰が考える日本も、現実の日本とは似て非なる別の国だったようである。

それも仕方ない。寒汰は女性には全く相手にされてなかったし、フィリピンパブに通うまで外国人と話をした経験が全くなかったからである。

事実を何一つ知らない寒汰は、勝手に妄想するしかなかったのである。

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「いいか?日本の田舎にはな、バッチシステムという米軍のレーダー施設があるんだ。だから日本の田舎は米軍兵士でいっぱいなんだ。」

「すごい!すごい!寒汰さんは知恵の塊だ!偉い!偉すぎる!」

「ゲヒーーッひひヒヒヒ!俺、また褒められた!俺、偉い!」

一人二役で自分で自分を褒めて寒汰は悦に浸っていたが、そもそも「バッシステム」はコンピュータの一括処理であってレーダーとは何の関係もない。

おそらく寒汰は「バッシステム」と言いたいのだろうが、バッジシステムは自衛隊のシステムであって米軍のものではない。

そもそも昭和40年以降に日本の田舎にいる外国人のほとんどは米軍とは関係の無い人間である。

しかし、異常に偏見と勘違いが強い寒汰は、完全に事実を誤認していた。

「チ」と「ジ」の区別がつかないことであるが、寒汰は他のフィリピン嵌りのオヤヂと同様、凄まじいほど英語ができなかった。

「チ」と「ジ」どころか、母音は「あいうえお」しか知らず、母音なしの子音は全く聞き取ることができなかった。

Can と Can’t の区別もつかないのである。

「ゲヒーーーーー!いいか? EDSA コンプレックスの EDSA はフィリピン人は『エッサ』と言うんだ」

「すごい!すごい!寒汰さんて語学も堪能なんですね!スーパーマンですね!尊敬します!」

「ゲヒヒヒヒヒヒ!俺、尊敬される!俺、偉い!俺、偉すぎるぅぅうぅう!」

フィリピン人は EDSA を「エッサ」などとは言わない。きちんと EDSA と発音している。

(あえてカタカナで書くとすれば「エ ツ゛ァ」が最も正確な音に近いだろうか。濁点なのがポイントである。)

しかし、母音がない子音は全く聞き取れない寒汰には「エッサ」としか聞こえないのであった。

語学能力が完全に欠如している寒汰であった。

しかも、その情けない語学能力を晒していることに全く気づいてないのであった。

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「寒汰さん、フィリピンで身の安全を保つ方法を教えてくださいよ」

「身の安全を保つ方法? それはな、危険から物理的に距離をとることなんだ。ゲヒーーーーー!俺、物知り!俺、偉い!偉すぎる!」

寒汰はゲヒゲヒと笑い転げながら喜んでいたが、寒汰自身が何よりの危険だということには気がついていないようであった。

全ての人間が寒汰に近づかないのは、寒汰が異常に臭くて汚いのもあるが、それ以上に寒汰自身が危険だからである。

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「寒汰さん、どうしてジプニーばかり乗るんですか?」

「それはな、タクシーだと運転手と話をしないといけないだろう?ジプニーなら話をしなくていい!俺、賢い!俺、偉い!偉すぎる!!ゲヒーーーーー」

未だに英語もタガログ語も全くできない寒汰は、タクシーの運転手との会話さえできないのである。

だからタクシーの運転手との会話を恐れてタクシーには乗らなかったのである。

また、寒汰は異常なまでにケチゆえ、タクシーに「ぼられる」ことを恐れていた。

改造メーターが多いマニラのタクシーではぼられているかどうか分かりにくい。

さらに、たとえ改造メーターだと分かったとしても、語学力のない寒汰には運転手に抗議する方法がなかった。

運転手「300ペソ オンリー」

寒汰「300ペソ?そんな馬鹿な。前はここは200ペソだったはず。えーっと、あのー、ダラワ…リボ…じゃなかった、えーーっと、なんだっけな、イサン、じゃなくてダアアンだっけだったっけな。えーーーと。おい!にひゃくペソだろ、にひゃくぺそ!ディバ!(以上、完全に日本語)」

運転手「(まゆをひそめながら)アノ?」

寒汰「えーーと、だから、にひゃくぺそだって、にひゃくぺそ、イカウつーはんどれっど円ペソ!ディバ?(以上、完全に日本語)」

運転手「(冷たく)three hundred peso only. 」

寒汰「…. わかりました。はい、さんびゃくぺそだします(涙)」

語学が少しでも出来る人間なら、スマートに運転手を納得させる方法がいくらでもあるのだが、EDSAを「エッサ」と聞こえる程度の寒汰の凄まじい語学能力ではそれは無理であった。

それにしても、200ペソが300ペソだろうと、日本人にとって大した金額ではない。

しかし、一ペソでもケチることが何より偉いことだと勘違いしている寒汰は、100ペソの違いは天と地ほどの差であった。だから余計にタクシーを嫌っていた。

寒汰がタクシーに乗らずジプニーに乗るのは、このように単に語学ができないことにつきていた。

「タクシーはな、新型の料金が高いもやつばかりだから乗りたくないんだ!」

と、寒汰は言っていたがなんのことはない。寒汰はタガログ語も英語も全くできないので、ぼられっぱなしになっているだけだった。

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寒汰はジプニーが好きなのではない。タクシーに乗れないだけだった。

しかし、ジプニーに乗る自分を正当化したくて仕方がなかった。

そこでジプニーをやたらと褒め倒す言動をしていた。

その実、ジプニーはフィリピンでも下層民しか乗らず、ある程度以上の収入がある者は自家用車で移動するものだということを全く知らなかった。

寒汰は自分の見る恐ろしく狭く偏った世界がフィリピンの全てだと思い込んでいた。

英語もタガログ語も全くできず、日本語で断片的に聞いた話から妄想しているだけの寒汰にはフィリピンの現実は分かるわけもないのである。

ある日、寒汰はジプニーに乗った。すると、珍しいことに白人の男が3人、連れ立ってジプニーに乗っていた。

寒汰は興奮した。

「すごい!すごい!アメリカ人が団体客でジプニーに乗っている!アメリカ人はフィリピンでの交通手段でジプニーに乗るようになったんだ!俺、世紀の大発見をした!ジプニー好きの俺、偉い!前からジプニーに乗ってた俺、偉い!偉すぎるぅ!ゲヒーーーーーーーー!」

しかし、実際のところ、彼らはアメリカ人ではなくドイツ人だった。3人でたまにはフィリピンの下層階級の文化もたまには味わおうと試しにジプニーに少し乗っただけであった。

しかし、語学が全くできない寒汰には英語とドイツ語の区別は全くつかなかった。さらにたった3人が一度ジプニーに乗っただけで妄想狂の寒汰にはそれが「いつも大量のアメリカ人がジプニーを利用している」と思えてしまうのだった。

寒汰の妄想は最近ますます激しくなっていたが、本人の自覚は相変わらず全くなかった。

 

小向美奈子 (一人二役 II)

寒汰の一人二役はまだ続いていた。

エダモト(仮称)で一人でぽつんといる寒汰は自分で質問し、自分で答えているのである。

ハタからみると一人でブツブツ言っている寒汰は異様であった。

「寒汰さん、57歳の誕生日、おめでとうございます。2月17日というと水瓶座なんですね!素敵で!」

「ゲヒヒヒ、俺、誕生日おめでとうと言われた。俺、人気者!俺、偉い!」

自分で自分に誕生日おめでとうと言うほど滑稽なことはなかったが、

寒汰は誰にも誕生日おめでとうと言われることなどなかった。

生まれてこの方、誰にも誕生日の祝いを言われたたことがないのだ。

それどころか、ここ数年は誕生日でも朝から晩まで一人で過ごしているのだった。

あまりに寂しい人生であった。

しかし、それも自業自得といえよう。

人気がある人間をみかけると妬んで攻撃し、誹謗中傷をネットで書きまくって、その人の仕事を失わせたり

能力が高い人間を見ると、妬んで攻撃し、誹謗中傷を書きまくったり、実名や顔写真をネットで晒したり

自分の間違いを指摘する人間がいれば、逆恨みしてセットアップをしかけて金を奪ったり

そんなことばかりしている寒汰が誕生日を誰にも祝ってもらえないのは自業自得以外のなにものでもなかった。

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寒汰の異常に気持ち悪い一人二役はさらに続いていた。

「俺、小向美奈子嫌い!あいつ、マニラで注目されてる!俺、注目されるやつは大嫌い!」

「当然ですよ、こんなにかっこいい寒汰さんをさしおいて、マニラで注目されるなんて許せません!」

「ゲヒーーーーー!俺、かっこいい!俺、テレビ映る!俺、スーパースターなる!俺、偉い!」

寒汰の全ての言動は、妬みと恨みがエネルギー源であった。

コンプレックスの塊である寒汰は何をみても妬みか恨みしか感じないのだった。

高学歴の人間、立派な仕事についている人間をみるとひたすら妬み、有名人や人気者をみると、それにあやかろうとした。

そして、それはいつも100%失敗するのだが、そうすると逆恨みしてその有名人や人気者を攻撃した。

今の寒汰のターゲットは小向美奈子であった。

「小向美奈子、今、フィリピンいる!俺、小向美奈子と絡んで有名になる!ゲヒヒヒヒヒ」

「そうですよ、小向美奈子は寒汰さんに無断で有名になりましたが、今に寒汰さんに泣きついてきますよ。」

「ゲヒーーーーー!俺、小向美奈子に頼られる!小向美奈子が俺とSEXする!俺、芸能人を性奴隷にする!俺、偉い!偉すぎる!」

自己顕示欲が異常に強い寒汰はとにかく有名人が大好きであった。

そんな有名人に絡んで自分も注目をあびることが寒汰の夢であった。

そして、寒汰は「ケバイ女嫌い!」と言いつつも、内心はケバイお姉ちゃんが好きで好きでだーーーーい好きでたまらないのであった。

さらにシャブが好きな女を寒汰は一層好きであった。

だから、小向美奈子がフィリピンに行ったと聞いて、いてもたっても居られなかった。

マニラに居て注目されている小向美奈子を恨みつつも、寒汰は小向美奈子とSEXしたくてしたくてたまらなかった。

もちろん、それは叶わぬ夢である。

そこで、寒汰は妄想の中で小向美奈子を自分の性奴隷にしていたのである。

キチガイである寒汰はそろそろ妄想と現実が区別がつかなくなってきているのであった。

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さらに寒汰の一人二役は続いていた。

「寒汰さん、小向美奈子を性奴隷にできない僕のためにもどこかよい遊び場所を教えてくださいよ。」

「ゲヒーーーーー!俺、物知り!俺、頼られる!俺、褒められる!俺、偉い!!」

自分で自分を褒めて悦に浸っている人間ほど気持ち悪いものはない。

寒汰はこの世の気持ち悪さを一身に集めたかのような人間であった。

「いいか? いい遊び場所は簡単には教えられないな。ゲヒーーー!もったいぶる俺、かっこいい!!!」

もったいぶるも何も寒汰は遊び場所などろくに知らなかった。

なにせ8年間毎月フィリピンに通ったいまでも、未だに英語もタガログ語も全くできないのである。

寒汰がブログでさも知ったかのように書いているのは、全て人に連れて行ってもらった場所であった。

パサイの置屋情報は、「あ・魔尼羅(マニラ)」(仮称)のメンバーの情報をそのままコピペしただけであった。

内容を理解せずにコピペしているので、店の通称とストリート名の区別もついていなかった。

入国カードのブログエントリも、実は JAL PAK のページをそのままコピペしただけであった。

それをさも自分一人で見つけたかのように書くのが寒汰の大得意技であった。

寒汰は人に遊び場所を聞かれても、教えれることは何もなかった。

なぜなら全ての情報は他人から聞いただけで、突っ込まれて聞かれても何一つ知っていることはなかったからである。

なお、寒汰が常々自慢する200ペソ売春窟に関しては非常に面白い逸話がある。それに関しては今後のエントリで取り上げてみたいと思う。

(続く)

寒汰と女と覚せい剤 II

TOSHIYA氏のからかいで、寒汰はますます機嫌が悪くなった。

そして、ぶつくさ言いながら、机をドンとたたき始めた。

見るに見かねてTOSHIYA氏が言った。

「おい、寒汰のオッサン、まあええから飯でも食いに行こうや。オッサンの馬鹿の一つ覚えのシニガンでも食べたら気分もすっきりするで。」

促されて寒汰はLAカフェの外に出た。

寒汰のお気に入りの知恵(本当の名前は Cherry だが、英語が全くできない寒汰は「知恵」だと聞き違いしていた)のそばを通った。

知恵はうっとりとした顔をして噂のハンサム老人トミーにもたれかかっており、寒汰には一瞥さえくれなかった。

寒汰はさらに憤慨した。

寒汰とTOSHIYA氏は食事をしていた。

寒汰がオーダーしたのはシニガン。寒汰はフィリピン料理はアドボとシニガンしか知らなかった。

7年間フィリピンに毎月通っているが、英語もタガログ語も全く出来ず、一人では新しい店には入れない男なので仕方ない。

寒汰はレストランに入っても知恵のことをブツクサ言っていた。TOSHIYA氏は寒汰の気を紛らせようと言った。

「おい! ゴミクズみたいな寒汰のオッサン、ええこと教えたるわ。あのな、そのシニガンな、不味いやろ?

なんでか言うたらな、フィリピン人が作るからや。儂がシニガン作ったら旨いで〜。

シニガンもトムヤムクンも基本はそう変わらへんねん。辛みとかレモングラス使うかどうかは違うけどな。

こういう豆知識知っとったらオッサンみたいなキチガイでもちょっとはモテルようになるんちゃいまっか?がっはっはっは」

これを聞いて寒汰はまたしても大得意の勘違いをした。

「トムヤムクンはシニガンと全く同じ!違いは酸味だけ!トムヤムクンが酸っぱいのはレモングラス!シニガンが酸っぱいのは…酢酸いれるからだ!俺、物知りなった!俺、モテモテなる!俺、偉い!ゲヒヒヒヒヒ」

なにせ1を聞いて100を勘違いする男なのである。

TOSHIYA氏が言った内容と全然違う内容に変換されてしまったのである。

料理に関してはど素人以下の知識なのに「自称料理専門家」と名乗る寒汰は後に

「シニガンとトムヤムクンの違いはレモングラスを使うか使わないだけ。シニガンの酸味は酢酸をいれるからだ!」という、キチガイじみた主張をするようになる。

ちなみに、シニガンの酸味はタリマンドの果実を使用する。そもそも酢酸を入れる料理などこの世にない。

寒汰はそんな基本的なことも知るわけはなかった。

寒汰は機嫌がよくなってきた。

そこでTOSHIYA氏がまた寒汰に言った。

「寒汰のオッサンな、オッサンがモテへんのはしゃあないけど、気を落とすなや。他の男と仲良くする女はな、シャブでも食らってると思ったらええねん。だいたい知恵もシャブで頭おかしくなってなかったら、オッサンみたいな気持ち悪い男とは話もしたないやろ。ガッハッハッハッハ。」

それを聞いて寒汰はまた勘違いした。

「知恵があの男と仲良くしたのは、男にシャブを飲まされたからだ!男がジュースにシャブを仕込んだ!シャブ飲んだら男に惚れる!メロメロなる!シャブセックス!」

とんでもない勘違いだが、元々勘違いだらけの人間の上に、子供の頃から異常に麻薬に憧れている寒汰である。

これくらいの勘違いは当然と言えた。

 

その日以来、寒汰は誰かが羨ましくなるような女を連れていると「あいつはシャブで女をメロメロにしてるんだ!」と叫ぶのであった。

そして、寒汰に全くどの女もなつかないのは他の男が皆シャブを使って女を意のままに操っているのに、寒汰一人だけシャブを使ってないからなのだと思うようになった。

もとより、寒汰は自分がブラッド・ピット並の美男子で、世界の誰よりもモテるはずなのだと勘違いしていた。

自分の容姿についても麻薬に関しても大きく勘違いしている寒汰であった。

また、寒汰は「薬」と聞けば異常に反応するようになった。

東に風邪薬を飲んでる男がいると聞けば、それがごく普通の薬であっても「麻薬だ!あいつは麻薬を使って女をたらしこんでいる!」と勝手に勘違いし、そして自分がもてない怒りを爆発させた。

そして徹底的に粘着攻撃を行った。

また、西にモテる男がいると聞けば「麻薬だ!あいつは麻薬を使って女をたらしこんでいる!」と勝手に勘違いし、そして自分がもてない怒りを爆発させた。

そして徹底的にキチガイ攻撃を行った。

北に寒汰にそっけなくする女がいれば、「麻薬だ!あの女は麻薬で頭がおかしくなっているから俺の魅力がわからないんだ!」と勝手に勘違いし、そして自分がもてない怒りを爆発させた。

そして徹底的にストーカー盗撮を行った。

「あいつら!麻薬で頭おかしい!俺、麻薬やりたいのに誰も教えてくれない!俺、怒る!」

と寒汰はマニラの路上で怒鳴り散らした。

実際のところ、寒汰はもはや寝ても覚めても麻薬のことしか考えられなくなっていた。

シャブや麻薬をやって頭がおかしくなる人間は多いが、麻薬を想像するだけで頭がおかしくなった人間は人類史上初めてであった。

(寒汰と女と覚せい剤  完)