男らしさ

この日も、寒汰はマニラ・ベイカフェにやってきていた。

男にも女にも、日本人にもフィリピン人にも誰にも相手にされない寒汰は他に行くところなどないからだ。

「ゲヒーーーーー!スーパーヒーローの俺がマニラ・ベイカフェに帰還!ゲヒーーー!」

と、寒汰は得意になってマニラ・ベイカフェを闊歩したが、紅海を開いたモーセのごとく寒汰の行き先からは人が逃げ出し、寒汰はまるで無人の野を行くがごとしだった。

ストリートチルドレン同然の売春婦たちにまで、嫌われている寒汰であった。

「ゲフッ!この方が歩きやすいわい!俺の勝ち!俺、偉い!ゲヒーーーーー!」

凄まじく人から嫌われている現実を寒汰は脳内変換して喜んでいた。

阿Qの精神勝利法並の自分に都合のよい思考を持つ寒汰であった。

.

席に座った寒汰であったが、相変わらず誰も近寄ってこなかった。ウェイトレスでさえ近寄ってこなかった。

席に座ること15分、誰にも話しかけられず、注文さえとってもらえず、寒汰はマニラ・ベイカフェを後にした。

背中には哀愁と凄まじい悪臭が漂っていた。

「ゲフッ!俺、無料で席に座った!俺、節約した!俺、賢い!俺、勝った!ゲヒーーーーーーー!」

現実を受け入れず、脳内変換をして喜んでいる寒汰であった。

.

寒汰がポクポクやウェイトレスにさえ嫌われる理由は様々ある。

見た目からして異常に気持ち悪く、とくにあの動物のような異常に気持ち悪い目で舐め回すように女の体を見るのも大きな原因であるのはこれまで当ブログで指摘したとおりである。

それに加えて、寒汰のファッションセンスの凄まじさも一つの理由であった。

最近はさすがにあの寒汰のトレードマークともいえる10年間一度も洗ったことない異常に臭いフィッシングジャケットは着てないようであるが、寒汰のもう一つのトレードマークでもあるダボダボのジーンズは相変わらず着用しているのである。

一体どこに売っているのかと思うほどヨレヨレでダボダボ、そして何より異常に汚らしいジーンズを寒汰は愛用しているのであるが、どうもそのジーンズは特注で作ったもののようである。

わざわざ特注でここまで凄まじく格好の悪い物を作るというのはやはり天然記念物クラスである。

さすがはファッションセンス抜群のスーパーヒーロー寒汰であった。

(写真と本文は全く関係ありません)

寒汰は外見も酷く、凄まじいケチぶりも悪名高かったが、話の内容が全く面白くない、というのも寒汰に接したことのある日本人女性、フィリピン人女性の一致する見解であった。

生まれてこの方、女性とまともに付き合ったことが一度としてない寒汰は女性を楽しませるどころか不快にさせる話しかしないのであった。

「おい!お前は安物の化粧品を使ってるだろう。お前の肌が汚いのは安物の化粧品を使っているからだ。どうだ?俺は物知りだろう?俺を尊敬しただろう?俺は偉いだろう?ゲヒヒヒヒヒ」

化粧のことを明らかに全く何も知らない男が知ったかぶりしている上に、不快極まりない言葉をはくのである。

(化粧品にしろ食品にしろ、知識のない寒汰は安物=悪い物、高いもの=良品と思い込んでいた。値段以外で品質を判断することができないのである)

それでどうやって尊敬しろというだろうか。

「おい!俺はな、男の中の男なんだよ。俺はな、気に入らない奴がいると、執念深く住所を突き止めて、そいつの車のタイヤをバーストさせてやるんだ。俺がな、千枚通しをいつも持ち歩いているのは、気に入らない奴の車のタイヤに穴をあけてやるためなんだ。どうだ?俺は男らしいだろう?俺を好きになっただろう? ゲヒヒヒヒヒ」

寒汰は気に食わない人間がいると必ず住所をつきとめ、車のタイヤをバーストさせにいくのであったが、そんな意地汚い行動を自慢されても百戦錬磨のキャバ嬢でさえ褒めようがない。絶句するのみである。

「なんだ?今日はお前の誕生日なのか?じゃあ、特別なプレゼントをやろう。これはな、俺がホテルのフロントからくすねてきた安物のチョコレートだ。どうだ?嬉しいだろう?俺は節約家だろう?俺を尊敬しただろう?俺を好きになっただろう?ゲヒヒヒヒヒ」

一年に一回の記念日にもらうプレゼントに、そんな盗んできたものをもらっても嬉しいわけがない。

「俺はな、喫茶店に行くとコーヒー豆を必ず再利用させるんだ。一杯分のコーヒー豆で二杯三杯といれさせて一杯分の値段しか払わないんだ。どうだ?俺は節約家だろう?男らしいだろう?俺を尊敬しただろう?俺を好きになっただろう?ゲヒヒヒヒ」

わざわざ喫茶店に行ってコーヒー豆をそこまでケチって使わせる人間は日本中探しても滅多にいないだろう。

そもそも、寒汰はケチることは男らしく、ケチ自慢が女にモテると思っていたが、ケチ自慢に聞き惚れる女など砂漠に針を探す以上に難しいことを寒汰は全く自覚してなかった。

自分の感情を他人に押し付けるだけで、他人の気持ちなど全く考えないのが寒汰なのである。

.

「ゲヒーーーーー!俺、スーパーヒーロー!だから俺、マニラ・ベイカフェで誰も話しかけてこない!俺、無料で座り放題!俺、また節約した!俺、偉い!偉すぎるぅうう!ゲヒーヒヒヒッヒヒッヒ!」

誰からも無視されていることを勘違いして喜んでいる珍獣の雄叫びが今日もマニラの夜にこだましていた。

About plastictakata
暗黒の国フィリピンやパッツン天国タイでばら撒き、自主パト、凸凹するのが趣味の57歳のオサーンです

6 Responses to 男らしさ

  1. joe says:

    流石にここまで妖気漂う画像が貼られるとコメントも一切無くなってしまうようですね。凄まじいパワーです。(笑)

    • ははは、この写真の妖気は凄まじいですね。
      本日似顔絵も入手しました。
      描いた方の許可が得られ次第、掲載したいと思います。

      普段コメントくださってる方は今、現地での珍獣調査に忙しいようですね。

  2. タイガー says:

    一度だけLAカフェに行ったことあるのですが、その時に私の近くに妙なオッサンが座っていました。日本人であればLAカフェで席につけば、すぐにフィリピーナが寄ってきて話を持ちかけてくるはずです。

    断っても、しつこく入れ替わり立ち代わり、いろんな女がモーションかけてくるはずです。

    でもそのおっさんは誰にも喋りかけられてない様子で、孤独にチビチビと飲み物を飲んでいました。不思議に思い周りのフィリピーナに聞いてみると、”あの日本人は頭おかしい”と言っていたのを思い出しました。

    今から思えば、あの時の、あのオッサンは、寒汰だったのかも知れません。

    眠っていた記憶が、一気によみがえりましたww

    • タイガーさん、その男は既製品ではありえないほどのダボダボの恐ろしく趣味の悪いジーンズを吐いてませんでした?
      地の底から響いてくるような気持ちの悪い低い大きな声じゃなかったですか?
      だとすれば、間違いなく寒汰です。

      しかし、あのLAカフェであそこまで話しかけられない男というのもある意味凄いです。
      そこまで人に嫌われるなど並大抵の人間ではできません。
      やはりスーパーヒーローですね。

      寒汰に似た気持ちの悪い人間は魔尼羅によく居ますが、
      やはり本物の異常さは別格です。

      今度見かけたら、ぜひ歓迎がてらにコーヒーでもぶっかけてやってください。
      きっと喜ばれますよ。
      「ゲヒッ!俺、無料でコーヒー飲んだ!俺、節約した!俺、偉い!ゲヒヒヒヒ!」
      とねw

  3. GAGA says:

    タイガー殿

    それ私かも知れませんねwwwあそこは女買わないと気持ち悪がられますwww

    フィリピンに来る = 安い売春婦あさり

    まああんな場所に来るのだからそう思われても仕方ないですが、、、、

    ポクポクも寒汰も考え方は同じです。

    そして他人の気持ちを欠片も理解できないのです。

    MBCって普通の日本人が来ると息が出来ないらしいですね。

    あの環境で笑顔が出る人って尊敬します。他にクラブとかKTVとかいくらでもいい所があるのにwww修行でもしてるんでしょうか?

    • 「また安いかよ」の話ですか?ww

      フィリピン、特にMBC は確かにまっとうな人間が来る場所ではないですから「安い売春婦あさり」に来たと勘違いされても仕方ないですよね。

      修業の場というのは言い得て妙だと思います。
      自分がどれだけ極限の環境や悪意の中で耐えられるか、試すには最高の場所のようですね。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。