ブガウの逆襲 I

(今回のエピソードは寒汰リークスプロジェクトにご参加いただいているTさんの経験談を元にしています。)

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ある日、マニラベイカフェに一人の日本人がやってきた。名前は武男と言う。

武男は東南アジアをふらりと旅行するのが好きな男だったが、その一環としてマニラにも寄っていた。

武男は噂のマニラベイカフェに来たのだが、店内を見て驚いていた。

ここに居るのは、あまりにブサイクな女ばかり。みすぼらしい格好の、ほとんどストリートチルドレンのような女ばかりだからだ。

そのストリートチルドレン同然の女どもがたかってくる有様は、先週まで武男がまわってきたベトナムやタイはおろか、カンボジアですら味わなかったったことのない嫌なものだった。

そして、そのストリートチルドレン同然の女に絡まれて恍惚としているジジイたちの姿を見ると、武男は吐き気すらもよおしてきた。

こんなジジイの気持は絶対に理解できない。

武男自身は決して買春しないわけではないが、それはよほど気が向いた時だけである。現に彼はマニラにこれまで何度も来ているが、買春などしたことは一度もなかった。

それにしても、こんなストリートチルドレン相手には金を払うどころか、金をもらっても相手にする気はおきない。

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そう武男が考えていた時、突然、武男は異常に悪臭のする気持ち悪い男に話しかけられた。

「ゲヒヒヒヒ、お前、日本人だろう?俺か?俺は、ジェームス寒汰と言うんだ。日比ハーフなんだ。どうだ?俺はかっこいいだろう?俺を尊敬しただろう?ゲヒヒヒヒ」

男は凄まじい悪臭を放ちながら、聞かれてもないのにぺらぺらと自己紹介まがいの自慢をはじめた。

(写真は本文と全く関係がありません)

この寒汰に限らず、フィリピンに関わる日本人は自己紹介と自慢の意味を履き違えている人間が多いのは言うまでもなかろう。

武男は道端のウンコを踏んづけてしまったような気分になった。

だいたい、東南アジアで日本語で話しかけて来る人間にろくな人間はいない。

しかもいきなり自分が凄いと言い始める人間ほど胡散臭い者はいない。

さらに、この寒汰という男、全身の脂肪が垂れ下がったような気持ち悪い見た目に加えて、雰囲気からしてベタベタの日本人。

格好をつけようとして「日比ハーフ」と大嘘を付いているのは一瞬でわかった。

そもそも日比ハーフがカッコイイと思っている時点で常識を疑う。

武男は必死でこの寒汰を無視しようとしたが、寒汰はもう止まらなかった。

日本でもフィリピンでも誰一人友達のいない寒汰にとって、一度でも目があえば親友になるのだ。

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「ゲヒヒヒ、お前、女を買いに来たんだろう?買春なんかして嫌らしい奴だ。ゲヒヒヒヒ」

武男はマニラベイカフェに買春目的で来たわけではなかった。

それなのに、寒汰は武男が買春しに来たのだと信じて疑わなかった。

自分が買春でフィリピンに来ているから、他の日本人も皆同じだと考える単純な思考回路は寒汰のような自称フィリピンベテランには多いのだ。

彼らの思考回路はきっと鶏以上に単純なのだろう。

さらに言えば、寒汰自身が買春目的でフィリピンに来ているのに、自分のことを棚にあげて他人の非難をする自分勝手さも実に寒汰らしかった。

武男は苦々しくこう答えた。

「いえ、結構です。どうぞお構いなく。そもそも私は買春目的でフィリピンに来たわけじゃありませんから。」

すると寒汰はこう言った。

「ゲヒヒヒヒ、遠慮するなよ。俺が女を紹介してやろう。どうだ?あの女は?ゲヒヒヒヒ」

寒汰の反対側には、ストリートチルドレンの中ではまともな顔をした娘たちが武男に熱い視線を送っていた。

武男はヒモもやっていたことがあるだけあって、イケメンだったし、その渋い雰囲気はどこの国に行ってもモテた。

マニラベイカフェに居る女たちも、寒汰のそばには絶対に寄り付きたくなかったが、武男には相手にされたくて寒汰の反対側からにじりよってきているのだ。

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寒汰はその一人に目をつけると、ドスドスと歩いてその女をあの無駄に太い手で捕まえた。

「どうだ?この女は可愛いじゃないか?お前、買春したいんだろう?嫌らしい奴だ。遠慮するなよ。ゲヒヒヒヒ」

武男はそもそも買春するつもりは最初からなかったが、たとえ元々買春する気があったとしても、ここまで言われて買春する人間などどこにも居ない。

武男が無視していると寒汰はさらに続けた。

「お前の代わりに俺が味見してやろう。ゲヒヒヒヒ」

寒汰は突如、女の胸をもみはじめた。あまりに突然のことで女が驚いていると、今度はスカートをまくりあげてパンツの中にあの気持ち悪く太い指をいれた。

女が何かを叫ぼうとすると、今度は寒汰はその女にいきなりベロチューをした。そして、あの異常に臭い舌で女の顔中を舐めまわした。

寒汰に関わったことのある若い女性(日本人も含む)は皆口をそろえて言う。寒汰はいきなり体を触ってくる、と。

いきなり女性の体を触るのは、女性とまともに付き合ったことのない寒汰のような男に共通との特徴だった。

彼らは、いきなり体を触るのが、相手にどれだけ不快感を呼び起こすか、全く分かっていないのだ。

なお、そういう寒汰のような男に限って、女が武男級のイケメンに体を触られて恍惚となっているのを見てカンカンに怒り出す。

「女の体に触るのはセクハラだ!」

寒汰には自分のことを省みるという思考回路は全く存在しなかった。そして相手の気持ちが全くわからない寒汰は女が不快になっているのか、うれしさのあまり恍惚となっているのかも、区別がつくわけはなかった。

そして、大抵の場合、真逆に理解していた。

それは、生まれて以来57年間、買春以外で女性と接触したことのない男の悲しさなのだろう。

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寒汰は女の顔を抑えこんで、無理やりベロチューしていたが、それが終わると、武男にこう言い放った。

「ふーー、なかなかいい味だぞ。どうだ?お前、この女を買いたくなっただろう?嫌らしい奴だな。ゲヒヒヒヒ」

武男はもはや、あっけにとられた。しかし、寒汰の狼藉はこの程度は済まなかった。

女がいきなりの凄まじいセクハラをされて声を荒らげて怒っていたが、その女に対して寒汰はこう言った。

「なんだ?お前どうして怒ってるんだ?腹がへったのか?心配するな。今日はいくらでもオーダーしていいぞ。この男が払うんだからな。ゲヒヒヒヒ」

武男は凄まじく嫌な気分になった。

自分の財布の金を勝手に使われて、飲み食いされたあげく、汚い食べ残しだけ偉そうに押し付けられた気分と言ったらいいのだろうか。

それも、そもそも自分が食べたいと思っていた食事ですらないのだ。

とてつもなく不快な気分になっている武男に寒汰はさらにこう言い放った。

「お前、わかってるな。俺におごるんだぞ。俺がこれだけ世話してやったんだからな。ゲヒヒヒヒ。」

そういうや否や、寒汰はウェイトレスを呼んで、山のようにオーダーし始めた。

自分で払うときにはビール一杯でさえオーダーを渋る寒汰であったが、他人のおごりなら、いくらでも飲み食いするのだ。

武男はマニラベイカフェが巷で暗黒カフェと呼ばれている理由をようやく理解した。

この寒汰と名乗る男のような精神性がこの暗黒カフェの本質なのだろう。

(続く)

 

 

About plastictakata
暗黒の国フィリピンやパッツン天国タイでばら撒き、自主パト、凸凹するのが趣味の57歳のオサーンです

2 Responses to ブガウの逆襲 I

  1. 芋洗坂係長 says:

    暗黒×暗黒でブラックホールが発生したら楽しいのですがね。

    • そうですね、相乗効果で凄まじいブラックホールが発生しそうです。
      ん? というかですね、フィリピン自体がブラックホールでは?
      暗黒のオーラを持つ人間を寄せ集めて離さないブラックホールですwww

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