エダモト(仮称)トラベルの客

マニラ、パサイには有名な日本食料理屋、エダモト(仮称)がある。

このエダモト(仮称)が大きくなったのは「俺様のおかげ」と嘯く人間は数多いるのだが、

寒汰はその筆頭格であった。

その実、寒汰はエダモト(仮称)に何一つ貢献したことなどない。

汚い臭い壊れたウォッシュレットを持ってきたことくらいである。

寒汰は「エダモト(仮称)のネット周りは全部俺がやった」と言っているが、これもトンデモナイ大嘘である。

エダモト(仮称)のマグロ子おばちゃんにネットの使い方を懇切丁寧に教え、PCを日本から持ってきて、メールアドレスをセットアップしホームページを用意したのはかつての「あ・魔尼羅(マニラ)」(仮称)サイトの中心メンバーなのである。

寒汰はその中には入っていない。

だいたいコンピューターのハードディスクとメモリの区別もつかない寒汰なのである。

「俺のMac は320GBメモリあるんだ!」「IPアドレス(本当はドメイン名のこと)が改ざんされた!」と大騒ぎする人間がPCのセットアップなど出来るわけもないのだが、知ったかぶりだけは誰よりも得意な寒汰であった。

「どうだ?エダモト(仮称)のシステムは俺が構築したんだ。俺は偉いだろう?ゲヒヒヒ」

寒汰はエダモト(仮称)の話をするたびに自慢をしていた。

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さらに、寒汰はいつも、エダモト(仮称)で傍若無人な振る舞いをしていた。

寒汰はエダモト(仮称)に来ると必ず、無銭飲食をしたがるのだった。

エダモト(仮称)のマグロ子おばちゃん(仮称)は、世話になっている人からは食事代や飲み代を頑として受け取らないのを見て寒汰は勘違いしていたのだ。

「俺、エダモト(仮称)の最大の功労者!だから俺、エダモト(仮称)で無料で飲み食いし放題になるはず!俺、また節約出来る!俺、偉い!ゲヒヒヒ!」

寒汰はどこの店でも特別扱いのが大好きだった。というより自分が特別扱いされるのが当たり前だと勘違いしている節があった。

だいたい店が特別扱いする客というのは、他の客よりも金も気も使っているのだ。

寒汰の場合は、壊れたウォッシュレットを持ってきただけで、店には迷惑しかかけていない。

それなのに、無料で飲み食いさせろというのは単なる犯罪である。

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無銭飲食だけでなく、寒汰はエダモト(仮称)で他の客にも迷惑をかけまくっていた。

JALのラウンジから大量に盗んできたおしぼりを他の客におしつけたり、頼まれてもいないのに、他の客の席に座って訳の分からない自慢話をいつもするのだった。

「おい!お前はもっとタガログ語を勉強しないとダメだ!」

そういう寒汰自身、タガログ語は未だに数単語しか知らず、タガログ語では ang / ng,  si / ni のマーカーがフォーカスのあるなしで変化することはもちろん、そもそも基本文法も全く理解していなかった。ただベテラン風をふかすことは寒汰にとって何よりの楽しみだったようだ。

寒汰を鬱陶しがってエダモト(仮称)の常連客たちは、エダモト(仮称)に行く前に、電話をかけて寒汰がいないことを確認してからやってくるようになっていた。

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そんな寒汰がエダモト(仮称)に迷惑をかけていることの一つが、迷惑客の紹介であった。

エダモト(仮称)が副業でやっている旅行代理店に寒汰は何人かの知り合いを紹介していたのだが、この人間たちは寒汰レベルのトラブルメーカーぞろいだったのだ。

やはり類は友を呼ぶのであろう。

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ある時、寒汰の友人ノボル(アルピニストNOBORUさんとは別人)はエダモト(仮称)で送迎の車を手配した。

その車が遅れてしまったのが発端である。

マニラで車が遅れることくらい日常茶飯事なのだが、ノボルは激怒した。

さんざんに怒り狂って苦情を言い立てたのだ。

担当者が平謝りに謝ると

謝れば済むってもんじゃないだろ!」と逆上した。

そこで、担当者が「代金はお返しします」とお詫びすると、

金を返せば良いってもんじゃないだろ!」とさらに激怒した。

何を言っても聞く耳持たず、文句のための文句を延々と続けたのである。

完全に営業妨害のレベルであった。

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寒汰にせよ、このノボルにせよ、寒汰の亜流はこのような「文句のための文句」が多い。

彼らにとって、理由は何でもいいのだ。とにかく他人に文句をぶちまけたいだけのだ。

そう、彼らがマニラに来る理由はただひとつ。自分より弱いものに日常のストレスをぶちまけるためである。

強いものにはひたすらペコペコし、弱いものにはトコトン威張りちらす、寒汰の性格の本質である。

国鉄勤務時代、いやアイヌ人と蔑まれた子供時代から誰にも相手にされず、いじめられてきて鬱屈した暗黒のストレス

自分より弱いフィリピン人にぶちまけることが、寒汰にとってのフィリピン旅行の本質なのであろう。

寒汰やその亜流にとってフィリピンの美しい自然も、フィリピン人のホスピタリティも、とってつけた言い訳である。

寒汰にとって、そんなものはどうでもいいのである。自分より弱い者に威張りちらし、買春出来ることだけがフィリピンの魅力であった。

「ゲヒヒヒ!日本では誰も俺を相手にしてくれない!でも、フィリピンでは俺、最強!俺、凄い!俺、偉い!俺、偉すぎるぅう!ゲヒーーーーー!」

寒汰の気持ち悪い笑い声が今日も魔尼羅の夜にこだましていた。

About plastictakata
暗黒の国フィリピンやパッツン天国タイでばら撒き、自主パト、凸凹するのが趣味の57歳のオサーンです

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