ハンドフリーな恋 I

寒汰はマニラのホテルで自慢の400GBのメモリ搭載のMACに向かっていた。

2011年のApple 社製の Mac には、400GBのメモリ搭載モデルなどないが、全て大文字の MAC とは、きっとApple 社製の Mac とは別のものだろう。

なお、寒汰がコンピュータのメモリとハードディスクの区別がついていないこと、英語の小文字が読めないので、全て大文字で書いてしまうのは、本人以外の誰もが知っていた。

寒汰はブログを書きながら興奮していた。

「ゲヒ!俺、バレンタインデーで誰にもチョコレートもらえなかった。でも、俺、すごい良い情報ゲットした!俺、偉い!ゲヒーーーー!」

寒汰は生まれて以来誰にもバレンタインデーのチョコレートをもらったことがなかった。

当たり前である。異常に気持ち悪く汚らしい寒汰になど、たとえ義理でもチョコレートなど渡したいと思う女性はいなかった。

寒汰が毎日通っていた北海道のキャバクラ嬢にも「あいつ、気持ち悪い。絶対に席につきたくない」と全員に忌み嫌われ(実話)、

写真をみただけの女性にも

「無理。写真からさえ悪臭が立つこんなオヤヂ、4500ペソどころか4500ユーロでも相手にできない」と、言われてしまう(実話)寒汰なのである。

バレンタインデーにチョコレートをもらうなど夢のまた夢であった。

そんな寒汰が見つけた「よい情報」とは、Wikipedia のバレンタインデーに関する項目だった。

女性が男性に、愛情の告白としてチョコレートを贈る習慣は日本独自のものである

寒汰は恐ろしく喜んだ。「やった!俺、国際派!俺、日本独自の習慣にとらわれない!だから、俺、バレンタインデーにチョコレートもらえなくても大丈夫!俺、凄い!ゲヒーーーー!」

「俺、ついでに博識自慢する。俺、バレンタインデーのこと、知り尽くしてることにする。俺、この Wikipedia の文章、そのままブログにコピーする!皆、俺を物知りだと思う!俺、偉い!ゲヒーーーッヒヒヒっヒヒヒ!」

そして、寒汰は Wikipedia の文章を自分で考えた文章であるかのようにブログに貼りつけた。

寒汰が Wikipedia や JAL のホームページの内容をそのままコピペして、まるで自分が昔から知っていたかのように振舞うのはいつものことである。

寒汰ブログのもっともある人気エントリは、入国書類の書き方であるが、これも JAL PAK のページをそのままコピペしたものだった。

当然、そんな浅はかな行動は多くの人間には見破られてバカにされているのであるが、哀しいかなフィリピン初心者にはその寒汰並に頭が弱い人間もいるのだった。

「なんだかよく分からないが、俺の知らないことが書いてある。きっとこの寒汰さんはすごい人に違いない! 寒汰さん、凄い!寒汰さん、頭がいい!寒汰さん、偉い!」

彼らの勘違いは寒汰の虚栄心を満足させ、寒汰のコピペ癖、知ったかぶり癖は近年ますますひどくなっていた。

ちなみに、このバレンタインデーに関する Wikipedia の情報は間違っている。日本以外でも、韓国でもバレンタインデーには女性から男性にチョコレートを贈るのである。

寒汰はその間違った情報もそのままコピペしていた。知ったかぶりしているだけの寒汰に Wikipedia の記述のどこが間違っているかなど分かるわけもなかった。

もとより海外の知識など誰よりもない男である。

.

「ゲヒヒヒ、俺ブログの世界では最強!みんなが俺を物知りだと思う!俺、幸せ!」

寒汰はホテルの室内でJINROチャムシルをガブガブ飲みながら小躍りした。

「ゲヒヒヒ、ついでに俺、バレンタインデーで女から贈り物されたことにする!俺、頭いい!俺、偉い!」

寒汰は妄想の中の恋人、自称女子大生の売春婦アドボ子からバレンタインデーにメッセージカードをもらったとブログに嘘を書いた。

現実には呆れるほどモテないのに見栄だけは凄まじく激しい寒汰は、そういう嘘をいつもブログで書くのだった。

「『(架空の)女子大生は、俺に、とっても大きいメッセージカードを贈ってくれた。』ゲヒヒ、俺、ブログの中ではモテモテ!俺、幸せ!俺、偉い!」

架空の世界でモテモテになった寒汰は喜びいさんで、またJINROチャムシルを汚らしくガブガブと飲んだ。

「メッセージの内容は.. そうだ、Wikipedia に書いてある『From Your Valentine』をそのまま使おう。これで女からメッセージカードをもらったと信ぴょう性が出る!俺、冴えてる!俺、頭いい!俺、偉い!」

しかし、Wikipedia に書いてある記述をそのままコピーしたことは、3分後には寒汰リークスプロジェクトのメンバーには見破られていた。そしてまたしても嘲笑を浴びることになったのだが、知恵の足りない寒汰にはそんなことが分かるわけもなかった。

発想の幼稚さが猿人以下の寒汰なのである。

.

「バレンタインデーのメッセージをもらったお礼は…そうだな。俺、道端のストリートチルドレンから買った汚い花を一輪だけあげたことにする!俺、汚い花一輪で若い女からメッセージカードゲットしたことにする!俺、架空ストーリーでも節約家!俺、偉い!ゲヒッヒヒヒヒッヒヒ!!」

せめて架空の世界でくらいは器の大きな男になればよいのだが、寒汰はドケチになることが人徳だと完全に勘違いしていた。

釧路のスナック舞子(今でいうキャバクラ)で他人のボトルを勝手に飲んでいた国鉄勤務時代の23年前から変わらないドケチさである。

見栄っ張りも知ったかぶりも、すぐに根に持つ陰湿さも当時から全く変わっていなかった。

この釧路のスナック舞子では、寒汰は凄まじい豪伝説を残している。この寒汰物語が決して誇張ではないのがよくわかる過去である。筆者も通報者からその話を聞いたときには絶句してしまったほどである。しかし、その詳細については、また日を改めて詳しく書くこととしたい。

.

架空の世界でモテモテになって上機嫌になった寒汰はPCをしまい、ホテルの部屋を出た。

ホテルのフロントには、顧客用のチョコレートが置いてあったが、寒汰はそれを素早くポケットにしまい入れた。

「俺、これでプレゼント用のチョコレート買わなくてすむ!俺、節約家!俺、偉い!ゲヒッヒヒヒヒッヒヒ。」

(嘘のような話であるが、寒汰ブログの3月2日のエントリに書いてあることである)

ホテルのフロントからくすねたチョコレートを持って、寒汰がやってきたのは、やはりマニラベイカフェ(旧LAカフェ)であった。

カフェの中に入ると、寒汰が以前食事に無理やり付きあわせたじゃぱゆき娘、瑠奈が居た。

瑠奈は寒汰の姿をみると、ひぃっと叫んで急いでトイレに駆け込んだ。

異常に臭くて気持ち悪い上に、ドケチな男と関わっても一銭の得にもならないのである。

寒汰の近くによるだけで悪いカルマがつきそうであった。瑠奈はトイレで必死で時間を潰した。あの男に話しかけられるくらいなら死んだほうがましかもしれない。

時間を潰せば、あきらめて他の娘をつれて帰るだろう。穴さえあれば雌鳥でもかまわないような寒汰である。

ストリートチルドレンのように汚らしい娘が大挙しているマニラベイカフェだが、寒汰なら持ち帰りたい女だらけだろう。

一時間後、もういいだろうと思って瑠奈がトイレから出てきた。

しかし、瑠奈がそこで見たのは信じられない光景であった。

About plastictakata
暗黒の国フィリピンやパッツン天国タイでばら撒き、自主パト、凸凹するのが趣味の57歳のオサーンです

10 Responses to ハンドフリーな恋 I

  1. joe says:

    「ハンドフリーな恋」・・・本年度流行語大賞ノミネート

  2. キーニャオ says:

    >>女性が男性に、愛情の告白としてチョコレートを贈る習慣は日本独自のものである

    そうだとしても、日本人を相手にしてるフィリピーナは、この習慣に合わせそうですけどね。
    チョコひとつでお客のおっさんが喜んで財布の紐が緩むなら安いものでしょう。フィリピンにそんな文化はない!って突っぱねても良い事ないし。

    でも逆に、それはあんたの国独自の風習だから、うちらはやらないよ!ってフィリピーナが言ってくれば、おっさんも日本にはチップという風習だから、チップは払わないよ!って出来る!やった、俺、節約家!俺、偉い!!w

    • はい。寒汰は勘違いしていますが、海外では男性も女性にプレゼントするというだけです。
      つまり双方が渡し合うんです。

      しかも日本文化を知ってる商売女なら必ず何かくれますよ。
      何ももらえないのは寒汰だけでしょうね。

      ま、店で女の子に「ねえ、ビール飲んでもいい?」と聞かれて
      「飲むならお前、自分で払え」と言ってのける男には誰も何もくれないでしょうねw

      さらにたかが3,4千円の支払いもツケにするみたいですしw

  3. gaga says:

    パタヤの外国人向け暗黒娘のセールスプロモなのかもしれないが、ヴァレンタインデイに暗黒娘が男性にハートのシールを貼り付けられて頬にキスするというものがあった。お祭としては面白いなと思った。

    3月4日のエントリーにも「一束一縄」ってあるんですが、辞書に載ってないんですよ。辞書にも載っていない高度な言葉を遣うあたりさすがだなと思います。

    夜中2時に食事に事欠いていたマニラベイ娘が寒汰大先生を客が付かなかった時の滑り止めにするとは寒汰大先生は人気者です。

    • 一束一縄は、不思議な表現ですよね〜ww
      これ、今日のエントリに入れたかったのですが、入りきらなかったです。

      最近、寒汰ブログはネタが多すぎですw

      寒汰がLAカフェで全く人気がないのは、もう裏がとれていますが、
      それを自ら暴露する寒汰先生はとっても男らしいですねw 僕、尊敬しちゃいますww

  4. vinci says:

    「俺、頭いい!俺、偉い!」
    フィリピン嵌りのオサーンって、このように助詞が抜けてしまった話し方をする人結構いませんか?
     これって、もし相手のフィリピーナがわかりやすいようにわざとしているのであれば、フィリピン嵌りのオサーンもやさしいところがあるんですねw好感度UPの予感w

    事情がわからない人からすると単に気持ち悪いだけですけど

    • vinci says:

      あぁ、補足ですが、もちろん日本人同士で話をするときでも、助詞が抜け落ちた話し方をする人達だけが気持ち悪いですw

      外国人にわかりやすいように、その外国人に対してそのようなわざと助詞が抜け落ちた日本語を話す人は好感度Upですw

      • 外国人に話すときでも、助詞助動詞をわざと抜かすのは、私はあまりよくないと思っています。
        分かりやすい単語を使い、はっきり話すことは大事だと思いますが、
        助詞助動詞を抜かすと、それを学習している人にはかえって理解が困難になるからです。
        そもそも助詞助動詞を抜かしたところで、あまり理解度には変わりがないと思います。
        (たとえば、英語から冠詞が抜けたところで理解度は変わりませんよね?)

        助詞助動詞を抜かすより、同じことを言葉をかえて繰り返し言ってあげたり、
        理解できているか、細かくチェックしてあげるほうが親切だと私は思っています。

    • 実際の寒汰の話し方は、「俺、偉い!ゲヒーーー!」とはちょっと違うのですが
      (さすがに話し方は脚色しています。話の中身はいじってないですが)
      助詞助動詞の使い方が間違いまくりなのはその通りです。

      寒汰ブログを御覧になってもよくわかると思います。
      そうなんですよ、やっぱり教養のない、というか知性のない人は助詞助動詞の使い方がおかしいんですよ。
      助詞助動詞って正確に使い分けるには相当な知力を要求されるので、
      やっぱり彼らはそれがない…というか、助詞助動詞を選択すること自体、諦めてしまってるんでしょうねww

      日本語を使いこなす能力がないなら、助詞助動詞どころか時制すらないタガログ語でも覚えればいいのにw

      ま、オサーンのアコディバ語も助詞助動詞抜き言葉も、裏ではピーナには馬鹿にされまくってますよw
      日本在住のじゃぱゆきピーナの会話を聞くとよく分かりますw

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