モーセに並ぶ男 IV

KAZUYAたち一同が、マニラベイカフェを立ち去ると、ノボルがいそいそとし始めた。

さすがのノボルも寒汰の怪しさに気がついたのである。

誰が見ても、日本人の女性が見ても、フィリピン人が見ても、タイ人が見ても、

金持ちのお嬢が見ても、ストリートチルドレン同然の貧困娘が見ても、おばさんが見ても、幼女が見ても、

寒汰はどう見ても気持ちの悪い男である。

女からみて、いや、男から見てさえ生理的に受け付けない気持ち悪い男なのである。

当寒汰物語にコメントしてくれてる日本人女性たちも寒汰を「写真からさえ悪臭が立つような男」「どんなにお金がない時に、たとえ4500ユーロもらってもこの男とは無理。」とはっきり言う。

また、寒汰のようなオヤジは、二言目には「見た目じゃない。フィリピーナは心を見てくれる。俺は心が素晴らしいからモテる」と言う。

しかし、そういうオヤヂに限って、心の中は外見以上にどす黒く汚れているように見える。

昨日当ブログで紹介した日本人女性も寒汰の純粋な見た目云々だけではなく「性格の悪さが滲み出る姿が嫌」と感想を述べている。

そもそも、寒汰の今までの凄まじいまでの自分勝手な言動のどこが心が優れているのか理解できる人間がいたら見てみたい。

「心が大事」という人間に限って心が汚いと思うのは気のせいだろうか?

そして、フィリピーナが本当に心の中を見るのなら、寒汰のようなオヤヂは今以上に嫌われるとしか筆者には思えないのである。

ともあれ、そんな男が「モテ説教」をしても、全く現実味がないのはフィリピン初心者のノボルでさえ、そろそろ感じていた。

その証拠にマニラベイカフェのストリートチルドレン同然の売春婦でさえ、一度として寒汰に近寄ろうとしないではないか。

ノボルは寒汰のくだらない説教はもう聞かず、自分で今晩持ち帰る女を探し始めた。

ほどなくして、ノボルはなかなか可愛い元じゃぱゆき娘を連れて帰ってきた。

名前は瑠奈と言う。年齢は27歳と少々とうが立っていたが、かつて上野の名店でもランキング争いをしただけのことがあった色香ただよう、いい女であった。

今晩のLAカフェでは一番の掘り出し物だろう。

すると、寒汰は急に怒り出した。

「ダメだダメだ!ノボル!お前、こんな女なんか選んでたらダメだ!」

ノボルは面食らった。

「どうしてだすか?この子、オラは結構めんこいと思うですんけど。」

すると寒汰は顔を真赤にしながら怒鳴った。

「だからダメなんだ!かわいい女を選ぶようじゃダメだ!フィリピンベテランはな、ブサイクを選ぶもんなんだよ。こんな精子臭い女、性病を持ってるに決まってるだろう!俺が許さん!絶対に許さん!ゲヒーーーー!かわいい女は選ぶな!」

寒汰は自分が相手にされそうにない綺麗な女を見ると「精子臭い女」という癖があった。

いわゆる酸っぱいブドウである。

さて、精子臭い女と言われて瑠奈はカチンと来た。すでに日本語が怪しくなっているじゃぱゆきでも、悪口だけは100%理解できるのだ。

「うるさいよ、このスットコドイ!」

瑠奈は怒って去ろうとした。

すると、寒汰はその瑠奈の腕をむんずとつかんだ。

北海道で寒汰が通いつめたキャバクラのキャバ嬢たちが口をそろえて言う、あの異常に気持ちの悪い触りかたである。

汚らしい男のあしらいにはさんざん慣れたはずの瑠奈でさえ、ぞぞぞと、全身に鳥肌がたった。

「ゲヒヒヒ、お前、俺には携帯番号を教えろ。ゲヒヒ。200ペソでどうだ?ゲヒヒ」

瑠奈は言い返そうとしたが、言葉が出てこなかった。怒りより気持ち悪さの方が優先したのだ。

爬虫類より数十倍は気持ち悪い寒汰に腕をつかまれていると、吐き気さえ催してくる。

瑠奈は、ひぃと声にならない声をあげて必死で腕を振り払い、出口めがけて全力で駈け出して行った。

そして心のなかで神様に懺悔した。

「そうだ、これは天罰だ。日本で稼いだ金がなくなったからって、こんな暗黒カフェまで商売に来た私に神様は罰を与えたんだ。

あの気持ちの悪い生物は、きっと地獄から遣わされた地獄虫なんだ。ああ、気持ち悪い。触られて腕が腐るようだ。

神様、ごめんなさい、アコは反省しています。もうLAカフェなんかで売春は二度としません。明日から真面目にKTVで

日本人オヤヂにボラボラします。アーメン」

去っていく瑠奈を全身舐め回すように見ていた寒汰は、ニヤニヤ笑いながらノボルに言った。

「あの女、俺に惚れたな。今度会ったら200ペソで俺にやらせるそうだ。」

英語タガログ語能力以前に、日本語の聞き取り能力にも致命的な欠陥がある寒汰であった。

.

ノボルが次々に連れてくる女に対して、寒汰は全てダメだしをしていた。

「ダメだダメだ!こいつも可愛いだろう? 可愛い女はダメだ!絶対にだめだ!」

そして、JINROチャムシルをガブガブと不機嫌そうに飲んだ。

ノボルは意を決して寒汰に聞いた。

「メンコイ女だとどうしてだめなんだすか?」

「当たり前だ!俺より可愛い女を連れて言ったら俺が腹がたつだろう!」

ノボルは呆れた。酔っ払った寒汰が吐いた本音があまりにもひどかった。

寒汰が可愛い女を嫌いというのは、意味が違うのだ。

自分以外の男が可愛い女を連れていたら気に入らない、単に他人を妬んでいるだけなのだ。

ちなみに寒汰は、他人が生中出しをしていると怒り狂うが、自分は生中田氏したくてしたくてしょうがない男であった。

一切自分のことしか考えないわがままなだけの男なのである。

「はぁあ、もう、オラ諦めただ。寒汰さ、先に選んでくだせえ。フィリピンベテランの味つうのを見せてくだんせ。」

ノボルは少し嫌味を込めていった。しかし寒汰には伝わらなかったようである。

寒汰という人間は嫌味が一切きかない珍しい男なのである。

「フィリピンベテラン」と褒められたと勘違いした寒汰は上機嫌になって女を探しまわりはじめた。

その後、数時間がたった。寒汰はようやく一人の女を見つけてきた。

数時間もかかったのには理由がある。LAカフェ中の女が寒汰の傍に寄ることさえ嫌がるのである。

寒汰は女性が典型的に生理的に受け付けられない男なのである。何人から見ても異常に気持ち悪い男なのだ。

そばによるのさえ嫌なのに、寒汰と一緒に帰りたいと思う女などいるわけもなかった。

最終的に見つけてきた女は40歳は超えたおばさんであった。

思わずノボルは言った。

「ブサイクだすな」

それを聞いて寒汰はかんかんに怒った。

「うるさい!フィリピンベテランは可愛い女が嫌いなんだ!ブサイクと言うな!ゲハーーー!」

寒汰の論理は完全に破綻しているが、要はこういう事だった。

寒汰が常日頃から「美人が嫌い。美人は持って帰らない」と言うのは大嘘である。

寒汰は本音は美人が好きで好きで大好きでたまらなかった。

ただ、他に客のあるような女は寒汰などには絶対に見向きもしないだけなのだ。

寒汰が持って帰れる貴重な女は、誰もが見向きもしないようなブサイクな女だけだったのである。

美人が嫌いなのではない。ブサイクしか持って帰れないだけなのだ

それを他人に揶揄されるのが悔しい寒汰は「美人なんか精子臭いだけだ!病気持ってるから俺は連れて帰らないんだ」とうそぶいていた。

典型的な酸っぱいブドウ(負け惜しみ)なのである。

.

ところで、「ブサイク」という言葉を聞いて40歳女は不機嫌になった。彼女は日本語が話せる元じゃぱゆきであった。

寒汰は「俺、じゃぱゆき嫌い」と言っているがLAカフェでもどこでも日本語が話せる女しか持って帰ったことがなかった。

当たり前である。寒汰は本当はタガログ語も英語も全く話せないのだ。

普段偉そうなことを行っておきながら、じゃぱゆきを選ぶ寒汰にノボルは完全に失望した。

「寒汰サ、じゃぱゆき嫌いなんでないんゲスか?」

「うるさい!ノボルの癖につべこべ言うな!」

都合が悪くなると怒鳴り散らすのは寒汰の悪癖であった。

.

ノボルの女も含めて4人で帰ろうとすると、40歳女が寒汰に言った。

4500ペソ。さっき決めたお金、ここで払って。」

これを聞いてノボルは二重に驚いた。ホテルに入る前に金を請求されるのも前代未聞なら、LAカフェでしかもショートで4500ペソなど聞いたこともない値段だからだ。

いや、さらに言えば、あのドケチの寒汰が4500ペソも出すことを既に約束しているのに驚いた。

寒汰は普段から

「フィリピンでSEXは200ペソも出せばできる!500ペソ以上払う奴は馬鹿だ!」

とさんざん威張り散らしているのである。

それが実は4500ペソも払うと約束していたのだ。言っていることとやってることが全く違う。

.

実はLAカフェにいる女の中ではひそかにカルテルが成立していた。

異常に気持ちの悪いオサーンにはショートで4500ペソ以下では絶対にやらせないことになっていた。

そして寒汰は散々偉そうなことを行っておきながら、LAカフェで連れて帰る女に4500ペソ以上毎回払っていたのだ。

それがバレてしまった寒汰はさすがに狼狽した。

「ええと、あの、アコ、4500ペソ、まいったな。頭抱えてしまった。ゲヒヒヒヒ。そうだ、お前、3000ペソでどうだ? ダメか?ゲヒ。じゃあ、3001ペソでどうだ? じゃあ、3002ペソだ。」

これには周囲の人間も呆れ返った。

一ペソ単位で買春代を値切る男など前代未聞である。

ドケチもここまで来ればつける薬はなかった。

.

ノボルも40歳女も皆去った。マニラベイカフェには寒汰一人が残された。

相変わらず寒汰の周囲には誰一人寄ってこない。

当たり前である。日本人が見てもフィリピン人が見ても、男が見ても女が見ても気持ちの悪い男なのである。

そばに寄りたいと思う人間などいるはずもない。

暇で仕方のない寒汰はとうとうカウンターで居眠りをはじめた。(実話)

数時間後、寒汰を起こしたのはセキュリティであった。(実話)

他の客ばかりか、店のウェイトレスさえ、寒汰に触れるのを嫌がったのである。(実話)

そのセキュリティさえも、寒汰に触れた手をその後トイレでゴシゴシと10分以上洗っていたことは言うまでもない。

寒汰はそのゆく所で必ず豪伝説を残す男なのである。

(モーセに並ぶ男 完)

About plastictakata
暗黒の国フィリピンやパッツン天国タイでばら撒き、自主パト、凸凹するのが趣味の57歳のオサーンです

2 Responses to モーセに並ぶ男 IV

  1. gaga says:

    心理学で成績優秀グループとそうでないグループ
    に分け、どのような女性を選ぶのか実験。

    「自己評価が高い成績優秀グループは美女を選び、そうでないグループは美女を避ける」

    との傾向が出たと本で読んだ気がします。

    自信満々なのにブスを選ぶ。

    普通に考えればカルマを落としにマニラにやってきたとしか思えませんね。

    暗黒カフェのテキーラガール(多分)がほろ酔いで絡んできました。彼女の勤務終了間際に私の部屋は2ベッドルームだから寝ていけばと言ったら店を出る前にテキストするから電話番号教えてくれと言われました。

    若いし、子供居ないし、デブじゃないし、色白いし、日本語喋れないし、あっ、これは英語でコミュニケーション取ればいいのか、マタリーノコ。

    鯊釣りより簡単だと思うのだが、、、、個人的にはどうせハズレなら若くて綺麗なほうが諦めが付きます。

    • なるほど。成績優秀者は美人を選び、そうでない人間は、美女を避けるのは面白いですね。

      私は昔の嫁も含めて美人も、ブサイクもどっちも居ますが、確かに成績優秀でもないですし
      寒汰ほど壊滅的にお勉強ができないわけでもないです。

      そういえば、誰が見ても文句のない美人と付き合ったことは何回かありますが、
      意外と彼女ら、男から声がかかってないんですよね。

      寒汰のように自信がない男は「ふん!あんな女、どうせ精子臭いだけだ!」とハナから諦めるからでしょうね〜ww

      ま、GAGAさんにとっては、ハゼを釣るより簡単なLAカフェ女たちにさえ嫌われまくっている寒汰ですから
      美人に手を出すなど考えもつかないのかもしれません。

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