カガヤン・デ・オロ旅行記 II

カガヤンデオロの町も夜になった。T氏と寒汰の二人はまだ飲んでいた。

飲み始めるといつまでもとめどなく飲む二人であった。

酔いがかなり回ってきたT氏が言った。

「おい、キチガイの寒汰のおっさん!あそこの公園見てみい!何人女がおるやろ。」

寒汰が見ると、確かに数人の女が立っていた。

「あいつら、売春婦ちゃうか?キチガイのおっさん、暇やろ?声かけてきたらどうや?がっはっはっは。」

それを聞いて寒汰はまた勘違いした。

「この公園が売春地帯!俺、大発見!俺、偉い!!!」

しかし、現実はその公園は本当にただの公園であった。友達と待ち合わせしていた普通の女の子は寒汰の妄想によって売春婦扱いされてしまった。

ビサヤ語や英語どころかタガログ語もできない寒汰は確認できるはずもなく、友人T氏の冗談をそのまま真に受けているのであった。

寒汰に限らずフィリピンに嵌るオサーンにありがちなパターンである。

  • 語学ができない
  • 自分で確認しない
  • 冗談や噂話を真に受ける

そして、冗談や噂話をさも自分で体験したことであるかのように語りだすのであった。

寒汰もこのT氏の冗談を真に受けて「カガヤンデオロの売春はこの公園で行われている!」ととんでもない嘘情報をブログに書くのであった。

完全に酔っ払ったT氏がまた声をかけた。

「おい!粘着大魔王の寒汰!あそこの店見てみい。なんや賑わっとるみたいやな。」

寒汰が見ると、そこに Club Mojo (クラブモヨ)というレストランがあった。

T氏が続けた。

「中に入らなわからんけどな、ああいう賑わった店でLAカフェみたいな24時間営業の外人目当ての援交やっとったらおもろいな。

おい!キチガイの寒汰のおっさん、中に入って確かめてこいや!お前のタガログ語じゃ無理やろうけどな。

わっはっはっは。」

寒汰はT氏の嘲笑を浴びながら興奮していた。

「そうか!あれがカガヤンデオロのLAカフェ!俺、大発見した!俺、偉い!」

そしてまたしたり顔で後日ブログに「カガヤンデオロのLAカフェ発見!大発見!俺、偉い!」と書くのであった。

しかし、Club Mojo はただのレストランバーであった。外人客も少ない店で営業時間も24時間ではなく夜の8時からである。

夜も更け、酔いがかなり回ったT氏と寒汰はホテルに帰ろうと町を歩いていた。すると、数人の女とすれ違った。

寒汰がT氏に声をかけた。

「Tさん、あの女、さっき公園の前に居たのと似てないですか?」

T氏が答えた。

「そんなもん、知るか! 売春婦が移動してきたんやろ。知りたいんやったら自分で声かけて聞いたこい、アホの寒汰!あほらし。儂は早よホテル帰って寝るで。」

ちなみに街娼はビサヤ語では「ポクポク」がもっとも通じやすいのだが、ビサヤ語どころかタガログ語も英語もできない寒汰は当然そんなことも知らなかった。さらに女の子に声をかけて確認する度胸すらなかった。

ただ、事実と関係ない妄想を膨らますのだけは得意な寒汰である。

「夜になると売春婦が大移動!俺、秘密のマップ作成!俺、偉い!」

と、また妄想マップを作ったブログに載せて悦にひたるのである。

もちろん、このマップは全く事実と異なる。

二人は一軒のショーステージのあるKTVの前を通りすぎた。

「ねえ、T矢さん」と、寒汰がT矢に声をかけた。

「カガヤンデオロのKTVの値段は、マニラと同じなんですか?」

するといい加減呆れたようにT矢が答えた。

「そんなもん、知るか!KTVでも置屋でもマニラと似たようなもんやろ。知りたかったら自分で中に入って聞いてこい!このド変態のクズ!」

ここまで馬鹿にされてさすがに寒汰はむっとしたが、我慢した。

なにせ寒汰はビサヤ語はもちろん、英語もタガログ語も全く出来ないのである。

その上一人で国内線の飛行機どころかタクシーにすら乗れないのである。

T矢の機嫌を損ねて置いて行かれたらカガヤンデオロの空港まで行くことすらできないのであった。

気をとりなおして、寒汰は考えた。

「カガヤンデオロでも、KTVも置屋も値段はマニラと一緒と分かった!俺、大発見!俺、ブログで自慢する!」

と、また全く確かめてもないのに、さも店内に入ってきたかのようにブログで大嘘を書いたのである。

かくして、寒汰のカガヤンデオロ旅行は終わった。

結局のところ路上のカフェで長時間酒を飲んでいただけである。カガヤンデオロの地元の人間とは一切話す機会はなかった。

しかし異常に自己顕示欲が強い寒汰はブログに書いた。

「俺!カガヤンデオロ行ってきた!俺、情報いっぱい集めた!俺、偉い!」

実際のところ彼はどの店にも一軒も入ったわけでもなく、地元の人間と話したわけでもない。外見から勝手に妄想しただけである。実際、彼の書いたカガヤンデオロ情報のほとんどは、マニラのそれと同じように大間違いであった。

しかし寒汰はこう考えていた。

「カガヤンデオロ、どうせ日本人滅多にこない!俺の嘘、バレない!皆、俺の情報信じる!俺、褒められる!俺、偉い!」

そして、寒汰のこのとんでもないカガヤンデオロ情報を信じた日本人が何名もカガヤンデオロに行き、寒汰ブログのあまりの嘘っぷりが明らかになるのである。

次回は、寒汰のカガヤンデオロ情報のどこが間違っているか、そして正しい情報は何かを掲載します。

(カガヤンデオロで本当に店に入り、ビサヤ語で現地の人と話した方による情報です)

About plastictakata
暗黒の国フィリピンやパッツン天国タイでばら撒き、自主パト、凸凹するのが趣味の57歳のオサーンです

3 Responses to カガヤン・デ・オロ旅行記 II

  1. jumpojp says:

    「カガヤンデオロ、どうせ日本人滅多にこない!俺の嘘、バレない!皆、俺の情報信じる!俺、褒められる!俺、偉い!」
    一応寒汰本人はうその情報だという認識はあるんですかね?
    しかしながらあのクサレブログを熟読してその裏にある事実を推理する読解力には感心します。私には最後まで読み切るところが最大の壁ですw

    • jumpojp さん、あけましておめでとうございます。(こちらはまだ大晦日の夕方ですがw)

      寒汰は自分の妄想をどこまで意識しているかは正直分からないんですよね。
      まじめな話、精神病患者は妄想と現実の境目がころころ変わるそうですので。

      ただ、
      – マニラの時以上に地方に関する記述は嘘だらけ
      – 寒汰に私が直に聞いたときに「当てずっぽうをわざと書いている」と言っていた
      二点から、頭の片隅では自分がいい加減なことを書いていると、ある程度理解しているのではないかと思われます。

      先日の東京の Hooters も行ったことないのに、「行った」とバレバレの大嘘を書いてましたが、これも確信犯ですよね。

      あの腐れブログは、ある意味知的好奇心をそそられるんですよ。
      初心者だとあの内容を鵜呑みにしてしまいますし、並大抵の読解力の持ち主だとあの悪文を理解することは不可能ですからw

      まあ、あまりの悪文には時々リアルに吐きそうになりますが、知的好奇心の続く限りは今年もターヘルサムタピアを続けて行きたいと思います。
      ご声援の方、ぜひよろしくお願いします。

    • ちなみに、寒汰のウソだらけブログには結構怒っている人がいて、今回のカガヤンデオロ編はそういう怒ってる人たちからの通報をまとめて作りました。

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