ホモのリエントリパーミット II

パサイの日本料理店、エダモト(仮称)で寒汰はまたしてもサトーを相手にくだをまいていた。

寒汰はかなり酔っ払っていた。

「おい!サトー!お前、知ってるか?イミグレカードがまた変わっていたんだぞ。」

サトーもつい突慳貪な返事をした。

「あ、そうですか!あんたも、たいがいイミグレカードが好きですね!あんなもん書式がどんなに変わっても記入には困らないだろうに!」

サトーもだんだんと不機嫌さを隠さなくなっていた。そもそも寒汰と一緒に居ても楽しいことなど何一つないのだ。

すると、酔っ払って本音がでてきたのか、珍しく寒汰が弱気なことを言い始めた。

なによぉ、つれないこと言わないでよぉ。アコは日本語しか分からないんだからイミグレカード書くのも大変だって知ってるでしょう?アコにとってイミグレカードの記入は大学入試試験よりも大変なことなのよぉ」

あまりに気持ち悪いオネエ言葉にサトーはリアルに嘔吐感をもよおした。そして、ウゲエエエと思わず目の前の皿にぶちまけてしまった。

すると、寒汰はサトーが吐いたゲロを指ですくってぺろっとなめた。そして

うふっ、美味じゃありませんこと?

と言った。

サトーはあまりのおぞましさに気が狂いそうになった。そして、その時、かつてTOSHIYA氏から聞かされた話を思い出したのだ。

TOSHIYA「サトーさんなあ、俺が寒汰に見切りをつけた理由はいろいろあるんやが、一つはあいつがホモやからやねん。」

サトー「え?どういうことですか?」

TOSHIYA「やっぱり知らんかったんか?あの寒汰のオッサン、あらホモやで。もちろん女ともやっとるから両刀使い言う事や。」

サトー「両刀使いですか?? まさかあの気持ち悪い汚いおっさんがホモ? TOSHIYAさん、冗談で言ってるんでしょ?

TOSHIYA「いや、冗談やないで。儂あいつに襲われたんやで。」

サトー「ええ?本当ですか?いつですか?」

TOSHIYA「いや、何回かあるんやけどな、あいつ酔っ払ってくるとベタベタ儂の体触ってきよるねん。特に尻のあたりとかな。若い女に触られるんならええけど、あんな寒汰みたいなキショイおっさんに触られてみい、鳥肌たつで。ほんまキショイ。」

サトー「何回もですか?」

TOSHIYA「おう、何回もや。儂もあいつが友達おらへんでかわいそうやから付き合ってやっとったけど、ええ加減我慢の限界があるで。そや、知っとるか?あの寒汰のおっさんな、弱気になった時にはすぐに気色悪いオネエ言葉になりよるで。それが証拠や。よう見とったら分かるー。あいつは真性のホモや」

サトー「いや、さすがにすぐには信じられないんですけど」

TOSHIYA「何を言うとんねん。儂は真剣に言うとるねんで。そや!あの寒汰のおっさん、フィリピン初めて来た頃はずっとガイド雇っとったやろ?」

サトー「はあ」

TOSHIYA「英語もタガログ語も全くできひん。海外旅行全く行ったことないアホな寒汰のおっさんやからな、一人では空港からも出られへん。そやからな、日本に来たことのあるバクラ(オカマ)を通訳兼ガイドに雇っとったんや。」

サトー「そういえば、あの頃、寒汰はいつもバクラを連れてましたね」

TOSHIYA「そや!あのバクラにはな、夜の世話もさせとってんで。ほんま気色悪い。それにな、その癖、あの寒汰のオッサンはかっこつけよるねんで。『私がフィリピンに来るのは自分のためではありません。バクラに金と仕事を与えるためです』とか戯言ぬかしとんねん。アホかっちゅうねん。あいつはホモごっこができるからフィリピン来とうだけやで。」

サトー「なんか怖くなってきました」

TOSHIYA「あの『あ・魔尼羅(マニラ)』(仮称)いう有名なサイトがあったやろ?寒汰のおっさん一人が荒らして壊したサイト。あのサイトの中でもな、あの寒汰のオッサンはバクラの話ばっかり書いとってんで。『あ・魔尼羅(マニラ)』(仮称)の連中で、他にも寒汰に襲われかけた人間は何人かおるしな。寒汰はホモや言うてみんな知っとる。」

サトー「TOSHIYAさん以外にも襲われかけた人いるんですか?」

TOSHIYA「おう、何人もおる。皆、あんな気色悪いおっさんなんか願い下げやからすぐに逃げ出したけどな。あのおっさん、あの気持ち悪い顔やから全くモテへんやろ? あんまり女に縁がないから男に走り始めたみたいやな。ほんま、お笑い種やでガッハッハッハ!」

サトーはここまで聞いても当時は、半信半疑だった。しかし、今この瞬間、TOSHIYA氏の話が正しかったのだと気がついたのである。

「アコ、ちょっと酔ってきたかしら?」

またしても反吐が出そうな気持ち悪いオネエ言葉を話しながら、寒汰がサトーの隣に席に移動してきた。

凄まじい臭気が立ち込める。興奮しつつある寒汰の体温が上昇して、今まで以上に凄まじい臭気が放出されてきたからだ。

サトーは恐怖した。今までとは異なる恐怖だった。このまま寒汰に襲われては人間どころか生物として絶対に超えてはいけない一線を超えてしまうことは確実だった。

寒汰があの獣のような目でサトーの全身を舐め回すようにみながら、サトーの太ももを触ってきた。

サトーはあまりの恐怖に小便を漏らし始めた。

サトーは必死で話題を変えようとした。

「あ、あ、あ、あの!寒汰さんのブログはいつも素敵ですね!今日のブログの写真もか、か、か、感激するほど綺麗です!ど、ど、ど、どこの美容院の写真ですか?」

寒汰はそれを聞いて満足そうに頷きながら言った。

「あらぁ?分かるじゃない?サトーさん。うれしいからアコの秘密教えちゃう。うふっ」

56歳の醜い汚いオサーンが藤岡弘のような野太い声で「うふっ」というほど気持ち悪いことはない。サトーはまたしても目の前の皿に吐いてしまった。

それを怪しい目で見つめながら寒汰は続けた。

「アコのブログはね、アコの敵が何かとケチをつけてくるのよ。アコの美しさを妬んでるのね。だからね、アコは考えたの。説明してボロが出るなら、説明しなければいいってね!アコ、賢いでしょう?ゲホーッホッホッホッホ!ゲホホホ!」

寒汰ブログで

写真を見ていただければ、関係諸氏には伝わるはずです。コメントには一切お答えいたしませんので悪しからず。

とあるのがそれだった。寒汰は何も自分で説明できないし、説明してもボロが出るだけから思わせぶりなことを書いているだけだった。

オットセイのような体をした寒汰が、露骨にサトーの太ももを触り、首筋に息を吹きかけてきた。異常に臭い息でサトーは気が遠くなりそうだった。

寒汰「アコはね、賢いから思わせぶりなことだけ書いておくの。そうすると皆がアコのこと、物知りだと思うでしょ?アコ賢いでしょう?ゲホホホッホ!」

サトー「そ、そ、そ、そうなんですか? そんなに頭を近づけないでください。く、く、臭.. いや、くさやが食べたいです。」

寒汰はサトーの抵抗を全く無視して今度はサトーの首筋を舐め始めた。

寒汰「レロレロ。それにね、思わせぶりなことを書いておけば、誰かが親切にそれが何か教えてくれるコメント書いてくれるかもしれないんだから。そうしたらアコ、最初から知ってたふりできるでしょう?アコ、賢いでしょう?ゲホーッホッホッホ!」

サトー「お、お、お、思わせぶりって、あの写真は、誰がどう見てもただの美容院ですよね?」

寒汰「あらそうなの?アコはすっかりオスケベ場所の宣伝かと思っちゃった。アコが英語は全然できないのは知ってるでしょう?イジメちゃイヤン!」

その時、パサイ市を激しい揺れが襲った。

寒汰のあまりの気持ち悪さに地球が身震いしたのだとも伝えられる。

地震はパサイ全域を襲い、地割れが起こり、街をズタズタにした。

被害は甚大であった。

しかし、その地震のおかげでサトーは寒汰の魔の手から逃れられたそうだと、当時の目撃者は語ったのである。

(ホモのリエントリパーミット 完)

ホモのリエントリパーミット I

この日、サトーはパサイの日本食料理屋エダモト(仮称)で食事をしていた。

あの寒汰に付きまとわれて疲弊しきった日から数日が経っていた。

マニラに住む人間、動物の全てに忌み嫌われている男、寒汰はすでに日本に帰ったという噂だった。

サトーは食事をしながらつくづく思っていた。

「寒汰さえ居なければエダモト(仮称)の食事も美味しいものだな。つくづく食事の味とは環境によるものだ」

サトーの心は晴れ晴れとしていた。高熱を出して寝込んでいたエダモト(仮称)のマグロ子おばちゃん(仮称)も今日は元気に働いている。寒汰が居なければ世の中はかように平和なのだ。

その時、突然パサイの上空を黒雲がおおった。そして空から大粒の雨が降ってきた。なぜか異様に臭い雨だった。

ネズミが一斉にパサイの街から脱走し始めた。

何事が起こったのかと人々が驚いていると、エダモト(仮称)の前、ブエンディア通りに一台のジプニーが止まった。そして、中から異常に臭い汚らしい男が一人のっそりと降りてきた。

(※ どうやら他の乗客はあまりの臭さにとっくに脱出したようである)

ジプニーから降りてきた男の鼻が曲がりそうな臭気にブエンディア通りに居た人々も我先にと走って逃げ出した。

そう、寒汰がやってきたのだ。

数日前、日本に帰った寒汰だったが、自分の店、臭皇(くさおう)の従業員に口すら聞いてもらえず、不満を募らせてまた魔尼羅にやってきたのだ。魔尼羅(マニラ)で異常に嫌われている寒汰であったが、日本ではもっと嫌われていた。

サトーは店内で滝のような脂汗を流していた。外から流れこんでくる凄まじい臭気で寒汰が来たのは分かっていた。

しかし恐怖で体が動かないのだ。

果たして、ドアが空き、あの異常に臭く汚い男、寒汰がのそのそと店内に入ってきた。

片手にはやはりJINROチャムシルが握られている。今日も酒を持ち込んで無料で飲み食いするつもりなのだ。

寒汰はサトーの前にどっかりと腰をおろし野太い声で叫んだ。

「おーい!水と氷を持ってこい。大根おろしシラスもな。もちろん無料でな。ゲヒヒヒヒヒヒ」

マグロ子おばちゃん(仮称)はまたしても「うーん」と言って倒れてしまった。

店内の客が皆慌ただしく会計を済ませ、毒臭気を吸い込まないように口と鼻をハンカチでおさえながら我先に逃げ出していく中、サトーは動けなかった。

蛇に睨まれたカエルとはまさにこのことなのだろう。

「おい、サトー、お前、俺に会いたくて俺を待っていたな。俺に会えて嬉しいだろう?ゲヒャッヒヒヒ!」

サトーの完全に凍りついた顔をみてどこが嬉しそうなのか誰にも理解不能だったが、妄想の中で生きる寒汰にとって人の表情など知ったことではなかった。自分の妄想が現実よりも優先するのである。

「おい!サトー、お前俺がどうしてこの店によく来るか分かるか? それはな、俺が、エダモト(仮称)を大きくしてやったからなんだ!ゲヒヒヒヒヒ!」

『ネモトは俺のおかげで大きくなった』と豪語する人間がこの世に10人は居る。ただしそのほとんどはただの常連客である。寒汰もそのうちの一人だった。寒汰がエダモト(仮称)にしたことといえば、せいぜい壊れた中古の臭いウォッシュレットを持ってきてエダモト(仮称)のトイレを壊しながらとりつけたことくらいだ。

もちろん、そのウォッシュレットはすぐに使えなくなった。エダモト(仮称)にとってはいい迷惑でしかなかった。おまけに寒汰はエダモト(仮称)に客を紹介していたが、寒汰が紹介する客はことごとくトラブルメーカーで、エダモト(仮称)はおかげで大損害を被っていた。

『俺がネモトを大きくした』どころか大きくなるのを妨害しているのは明らかだった。

「おい!サトー!俺はな、今、空港から来たんだ。でも、荷物をもってないんだ。俺は偉いだろう?ゲヒヒヒヒヒ」

日常生活で誰にも『偉い』と言ってもらえない寒汰はマニラに来ると、執拗に他人に自分を『偉い』と呼ばせようとしていた。そうでもしないと心のバランスがとれないのだろう。

「荷物を持つ人間はな、バカなんだ。だから俺はいつでもこのままの格好だ。海外旅行に着替えなんかいらないんだ。だからな俺は、この10年間下着を着っぱなしなんだ。俺は偉いだろう?ゲヒヒヒヒヒ!」

サトーは気が遠くなってきた。10年間一度も下着すら替えないのだから、寒汰が臭いのは当たり前だった。

しかし何より驚いたのは、10年間下着を着っぱなしというホームレスですら驚く不潔な行動を自分で「偉い」という神経だった。これで仮にも日本で飲食店を営む男なのだろうか?

「おい!サトー、今日はお前にありがたい話をしてやる。感謝しろ!ゲヒヒヒヒヒ!」

『あんたの話でありがたいことなんて何一つないんだよ!』と内心サトーは毒づいたが、声には出さなかった。恨みを買ったら後でどんな嫌がらせを受けるか分からない。

寒汰に凄まじい誹謗中傷を書かれて真っ当な職を失った人間さえいるのだ。(※ 事実です)

「あのな、いいか?フィリピンの入管のコンピュータと空港のコンピュータのオンラインには整合性がないんだよ。俺、コンピュータよく分かってるだろう?俺は偉いだろう?ゲヒヒヒヒ」

『”オンラインに整合性がない”では意味不明だろ!?プロトコルは整合性があるに決まってるだろ!コンピュータどころかハードディスクとメモリの区別もつかない人間が偉そうなこと言うな!』

サトーは心のなかで叫んだ。寒汰は自分が全くわかってないことを分かったふりして話すのが大好きだったが、あまりに稚拙なので知識のなさがすぐに露呈してしまうのだった。

「おい!サトー!フィリピンのコンピュータはな、実は”1″か”0″しか記録できないんだ。だからすぐに記録が変わってしまうんだ。俺、コンピュータをよく分かってるだろう!俺、賢い!俺、偉い!ゲヒャッヒヒヒヒゲゲヒヒヒ!」

サトーは呆れ返った。デジタル記録をここまで勘違いしている人間が21世紀の現代にいるとは思わなかった。どうやら寒汰の脳内では、コンピュータの記録はすべてキーバリューシステムで、バリューは1ビットしか情報が入らないと思い込んでいるのだった。そして、それを”デジタル記録”と呼ぶのだと思っているのだ。仮にも先進国日本で教育を受けた人間がどうしてここまで勘違いできるのか、サトーには理解できなかった。

呆れ返っているサトーに対して寒汰は続けた。

「おい!サトー!お前、知ってるか?出国時にリエントリパーミットを毎回払いたくなかったらな、Visaを観光ビザに変えればいいんだ。俺、賢いだろう?ゲヒャッヒヒヒヒ!」

サトーはさすがに我慢しきれず叫んだ。

「馬鹿言うな!Visa は目的があるからとってるんだろう!それを捨てれるわけがないだろう!お前みたいに色ボケオヤヂに自慢するためだけにVisaをとってる人間と他人を一緒にするな!だいたい、Visaを持っていることが自慢になると思ってるお前の頭がどうかしてるんだよ!」

すると、寒汰は不機嫌そうな顔をして言った。

「うるさい!俺に口ごたえするな!俺は偉いんだ!文句があるなら在住の日系旅行会社に、問い合わせろ!」

寒汰はいつもそうだった。自分の話がおかしいのを指摘されるとすぐに他人のせいにするのだった。

何も確かなことは知らず、適当なことを妄想して言っているので、間違いを指摘されても反論のしようがないからであった。

(続く)

サントニーニョ信仰 III

アドボ子と待ち合わせが出来たと勘違いした寒汰は機嫌がよくなっていた。

JINROチャムシルを下品にガブガブ飲みながら言った。

「おい!サトー!カソリックは偶像崇拝じゃないって言ってた奴が居ただろう?」

当たり前だ!カソリックは昔から公式には偶像崇拝を禁止している宗教なのだ、とカソリック信者のサトーは思ったが口には出さなかった。寒汰に下手に口答えするとあとでどんな粘着な嫌がらせを受けるか分からない。

真っ当な人間ほど寒汰に付きまとわれることを恐れていた。

なにせ寒汰の誹謗中傷のおかげで真っ当な仕事を失った人間もいるのだ。(※事実です)

「俺はな、インターネットで調べたんだ。カソリックにも偶像崇拝はあるって分かったぞ!。サントニーニョを拝むのはカソリックが偶像崇拝だからだ。俺、後でブログにコピペしておく。すると皆を博識人間だと思う!ゲヒヒヒヒヒ」

寒汰はネットで調べたことをそのまま自分のブログにコピペしたり、さも昔から知っていたようなふりをして話すことが多かった。

一般社会では、ネットの文章をそのままコピペして自分の言葉のように騙っている人間は総スカンを食うのが通例である。

しかし、フィリピン嵌りのコミュニティは一般社会とはひと味もふた味も違っていた。

ネットの文章をコピペして貼るだけで

「凄い!凄い!なんだかよく分からないけど、きっと寒汰さんは賢い!」

と勘違いして褒めてくれる人間がフィリピン嵌りのオヤヂは少なくなかった。

一般社会では落伍者レベルの無知な寒汰もフィリピンはまりオヤヂの中ではいとも簡単に博識ぶることが可能だった。

「だからな、サトー、俺の方が正しいんだ。サントニーニョ像を拝むから、カソリックは偶像崇拝の宗教なんだ!俺、勝った!俺、偉い!ゲフーーーー」

エダモト(仮称)の床からカサカサと音がした。

寒汰のゲップのあまりの悪臭に、ゴキブリでさえ店外に逃げ出していったようだ。

それはさておき、カソリックの知識のあるサトーは呆れ返っていた。フィリピンで言うサントニーニョ信仰ははフィリピン限定のものである。正式名称は “Santo Niño de Cebú” つまり「セブのサントニーニョ」というくらいなのだ。

(※ 類似のものとしてプラハの幼児イエスキリスト “Infant Jesus of Prague” があるが、いずれにせよカソリックの公式のものではない)

サントニーニョ信仰はカソリック一般のものではない。カソリック教会はむしろサントニーニョ信仰には否定的なのである。

そもそも聖書では偶像崇拝は否定されているのだ。

それにまつわるカソリックの複雑な歴史を全く知らない男が、偶像崇拝呼ばわりとは失礼も甚だしい。

そう言いそうになったが、サトーはぐっと堪えた。

なにせ寒汰はカソリックとプロテスタントの区別もついてない男なのである。こんな男には何を言っても無駄であった。

「おい!サトー?お前は何教だ?ゲヒーーー!」

寒汰のひときわ高いゲップの音がすると、建物がガタガタと揺れ始めた。

どうやら雑菌でさえ寒汰のあまりの悪臭をさけて店外に出て行くようである。

サトーは心のなかで「俺は幼児洗礼受けたカトリック信者だよ!」と叫んだが、何も言わずにそっぽを向いた。

すると寒汰は続けた。

「当ててやろう。お前はオスケベ教やアンヘレス教の信者だな。ゲハッゲヒッヒヒヒヒヒヒ!」

恐ろしく嫌な笑い声が店内にこだました。

店内から外に向かって風が吹いた。サトーは息苦しさを覚えた。

どうやら空気でさえ、寒汰をさけて店外にでていくようである。

「そういうお前はキチガイLAカフェ教だろうが!」とサトーは心の中で毒づいた。

寒汰が待ち合わせをしたと勘違いした8時をとっくに過ぎていた。店には寒汰とサトー以外誰もいなくなって数時間が立っていた。

酩酊した寒汰がサトーに聞いた。

「おい!サトー!なんでアドボ子は店に来ないんだ?」

サトーは答えた。

「知りませんよ、さっき電話では、彼女あんたに会うくらいならサントニーニョ祭りに行った方がましだって言ってたでしょ!」

頭の片隅ではその事実が理解できていたのか、意外と寒汰の反応はしおらしかった。

「そうか.. 俺よりサントニーニョ祭りの方が大事なんだな。やっぱりフィリピン人は偶像崇拝が盛んだからだな。」

いくらしおらしくなっても、相変わらず勘違いしている寒汰にはサトーは何も言う気が起こらなかった。

アドボ子が「サントニーニョ祭りの方がまし」と言ったのは偶像崇拝とは何の関係もなく、寒汰と会いたくないだけのことだった。

「… 結局、どの女も俺の相手してくれない。俺、寂しい…」

すっかり酔っ払い、テーブルに突っ伏したまま、寒汰は涙を浮かべながら言った。

やはり人類史上まれにみる勘違い男なのだが、誰にも相手にされていないのは多少寂しく感じるものがあるのだろうか。

「なあ、サトー、俺もサントニーニョ像に祈ったら、願いが叶うかな..」

サトーは少し寒汰を憐れんだ。こんな史上最低クラスの非人間でも、正直になればしおらしくなれるものだな、と思った。

「寒汰さん、サントニーニョ信仰はカソリックの本家とは関係なく、フィリピンで勝手に作られた信仰だ。でも、心から祈れば願いは叶うかもしれんよ。」

すると、寒汰はガバっと起き上がり、大声でがなった。

「やっぱりそうか!俺、祈る!俺の願い、世界中の美人と死ぬまで生でS◯Xしまくる!一日100回は生中出しする!俺を馬鹿にした男達は俺の奴隷になって俺にヘーコラするんだ!どうだ!俺の願いすごいだろ!ゲヒヒヒヒヒヒ」

サトーは寒汰に少しでも憐れみを覚えたことを激しく後悔した。

そして、1万ペソをテーブルに置いて立ち上がった。

「寒汰さん、悪いけどあんたにはもうつきあえないよ。一万ペソ、あんたの飲み代と食事代はせいぜい数百ペソだからこれで十分だろ。これを置いていくから、もう二度と俺に話しかけないでくれ。」

そして静かに出口の方に向かって歩き始めた。

すると寒汰はびっくりしたような顔をして言った。

「おい!サトー!何を言うんだ!」

出口のドアに手をかけていたサトーの動きが止まった。

「サトー!1万ペソじゃ全然足りないよ!お前、俺と長い時間飲めて光栄だったろ!だからお前、もう3万ペソ置いていけ。俺、儲かる!俺、偉い!ゲヒヒッッヒッヒッヒヒヒ!」

サトーは一瞬でも寒汰に同情しかけた自分を激しく呪った。

そんなサトーに追い打ちをかけるように寒汰の異常に気持ち悪い笑い声がこだました。

エダモト(仮称)のみならず、パサイ全域にこだます凄まじい怪音であった。

ゲヒャヒッッヒッヒッヒヒヒゲゲゲ!!

あまりの気持ち悪さに、パサイ全域からネズミもゴキブリも、ありとあらゆる生物がブルブル震えながら脱出しはじめた。

そして、エダモト(仮称)の外のブエンディア通りにあるサントニーニョ像の目から黒い涙がとめどなくこぼれはじめた。

後年「サムタニーニョの涙」と呼ばれる神秘現象の始まりであった。

(サントニーニョ信仰 完)

サントニーニョ信仰 II

魔尼羅(マニラ)パサイの日本食レストラン、エダモト(仮称)で寒汰(さむた)は今日も呑んだくれていた。

「おい!サトー!性病にかかる奴はけしからんだろう?あいつらは生でやってるってことだ。絶対に許せん!クソっ。生でやれるのはな、女が金を期待してからだ。金のおかげであいつらは生でやれてるんだ。羨ましくねーぞ!クソっ」

サトーは思った。これはただの妬みだな、フィリピンでなら、どんな女でも生で中田氏するのは容易なのに金を出しても生でやれないのは、よほど女に嫌われているのだろう。生理的に受け入れられないほど嫌われている男も惨めなものだな、とサトーは感じた。

寒汰はまだまだ荒れた。

「クソっ、俺はどんなに金を出しても生でやらせてもらえない!クソっ俺は性病にかかりたいわけじゃないぞ!絶対になりたいわけじゃない!クソっ、俺は、性病が羨ましいわけじゃないぞ!クソっ、俺だって一度くらいは性病にかかってみたいわい!クソっ、ゲフーーーーー!」

サトーは思った。世の中に性病になりたがっている人間も稀だが、性病になりたくて金を払い、それでも性病になれない人間はさらに希少だな、と。

ふと、寒汰が携帯電話を取り出し、どこかに電話しはじめた。

そして、藤岡弘のように低い声の寒汰が気持ちの悪いネコナデ声を出しはじめた。

「もしもし?アドボ子ちゃん?アコだよアコ。アコはね〜、今、エダモト(仮称)で食事してまちゅよ。アドボ子ちゃんも日本料理大好きでちょ?アコがこの前フィリピン貧乏スタイルで食事したから相互理解が深まったでちゅねー。アコ、他に女がいないからアドボ子ちゃんエダモト(仮称)に来て一緒に食事しようよ?ディバ?」

エダモト(仮称)の天井でガタガタと音がした。どうやら寒汰のあまりの口調の気持ち悪さに天井に居たネズミが集団で脱走してったようだった。

ちなみに、寒汰の話す言葉はアコとディバ以外は全て完全に日本語であったが、寒汰は自分が流暢なタガログ語を巧みに使いこなしていると信じて疑っていなかった。

「ボケーーー!私の携帯に電話してくるなって何遍いったら分かるんだ、このスットコドイ!テメーはあんな屈辱(寒汰が水ぶっかけご飯を見せつけながら食べたこと)を私に味あわせておいて、まだ何か望んでんのか?いいか、お前と私の関係は最初からないんだよ!このクズ!テメーと会うくらいなら、くだらねーサントニーニョ祭りでも行くわ!死ね!ゴミクズ男!」

「なんだあ、アドボ子ちゃん、サントニーニョ祭りに行きたいのか。ゲヒヒ。イカウ、アコとそんなにデートしたい!アコ、嬉しい!」

「ボケっ!てめーとなんか誰が行くか? いいか、私は絶対にお前とは会わない。絶対にあ・わ・な・い!分かるか?この貧弱言語野郎!もう二度と私のところにもアリサ(友人の名前)のところにも電話してくんな!ドブネズミ野郎!」

「なんだあ。サントニーニョ祭りに行くのはアリサちゃんでちゅかあ。でも、アドボ子ちゃんはアコのところに会いに来る、俺、嬉しいでちゅ!ディバ?」

「相変わらずテメーが何言っているのか全然わかんねーんだよ。私は日本語わかんねーって何度言えば分かるんだ!フィリピンに8年間も通ってるならいい加減、タガログ語か英語覚えろ!クズ!百回死んで来い!」

「まいったなあ、アコのタガログ語、そんなに完璧ディバ?褒められてアコ嬉しいでちゅ。そうか、8時に来るんだね。アコ、待ってるでちゅよ。アイラビュー」

「知るか!死ね!」ガチャッ。

電話を切った寒汰はサトーに言った。

「おい!サトー、参ったな。アドボ子は俺に会いたくて仕方ないらしい。ゲヒヒヒヒ。8時にエダモト(仮称)に来るそうだ。友達のアリサはサントニーニョ祭りに行くらしいがな。ゲヒヒヒ。今夜は二人きり。俺、半年ぶりにSEXできる!俺、興奮する!ゲフーーー!」

サトーは思っていた。この手のミスコミュニケーションは寒汰に限らず、言語能力のほとんどないフィリピン嵌りのオヤヂに共通だな、と。

彼らは全くコミュニケーションがとれないどころか、相手の言ったことを完全に勘違いして自分の都合のよいように完全にストーリーを組み替えてしまう。

言語能力が致命的にないこと、そしてあまりに自分勝手なことが原因だった。

今回のように、相手は「会わない」と言っているのに勝手に「◯時に待ち合わせ出来た」と勘違いする。

そして相手は当然来るはずがないのだが、そうすると烈火のごとく怒りだし「遅刻だ」「約束を破られた」と怒鳴りだすのである。

約束を破られたのではない。そもそも最初から約束など成立していないのである。

オヤヂたちも、自分たちが語学能力が低いことを頭のどこかでは分かっているのだが、くだらないプライドがそれを認めたくない。

そして、自分の言語能力の無さが露呈するのが恥ずかしいからこそ相手のせいにして怒り出し、自分の恥ずかしさをごまかしているのではないか、そうサトーは考え始めていた。

(続く)

サントニーニョ信仰 I

パサイの日本食レストランエダモト(仮称)はこの日も賑わっていた。

名物のマグロ子おばちゃん(仮称)も忙しく働いていた。

そんな時、突如エダモト(仮称)のドアが開き、凄まじい臭気が流れこんできた。

そう、あの異常に臭くて汚い男、寒汰が現れたのである。

手にはやはりいつものJINROチャムシルを持っていた。

寒汰は飲み代をけちるためにいつもJINROチャムシルを持ち込むのであった。

寒汰が現れたショックでマグロ子おばちゃん(仮称)フラフラになり、奥の座敷に横になった。

ほぼ満員だった客は皆、食事中にも関わらず、一斉にいそいそと帰り支度を始めた。

ちょうどその時、エダモト(仮称)に電話をかけてきた客は「え?今、寒汰が店に来たの?じゃあ、俺、今日はエダモト(仮称)に行くのやめるよ。ごめん。じゃあ!」と慌てて電話を切った。

寒汰はそんな気配を全く気にしないのか、偉そうに席にどかっと座った。

「今日もエダモト(仮称)は繁盛しているようだな。おい!マグロ子! エダモト(仮称)がはやっているのは俺のおかげだということを忘れるなよ。ゲヒヒヒヒヒ」

ネモトがあるのは自分のおかげだという人間はこの世に10人以上はいた。寒汰もその一人であった。

そして寒汰も含め、そのほとんどはネモトに何をしたわけでもなく、ただの常連客だった。

寒汰がエダモト(仮称)にしたことといえば、中古の臭いウォッシュレットを持ってきて、エダモト(仮称)のトイレをぶっ壊しながら無理やり取り付けたことくらいだった。

しかも、その中古の臭いウォッシュレットはすぐに壊れてしまった。

はっきり言って、寒汰はエダモト(仮称)に迷惑しかかけてなかった。

しかし本人にその自覚は全くなかった。

一斉に他の客が帰り始めたのにさすがに気づいたのか、寒汰は藤岡弘のようなあの低い声で怒鳴った。

「ん? 客の入りも安定しないのか?おい!マグロ子!俺がまた客を紹介してやろうか?ゲヒヒヒヒ」

寒汰が紹介する客はことごとくトラブルメーカーであることで有名だった。

つい先日も寒汰の紹介した客が大騒動を起こし、エダモト(仮称)は大損害を被っていた。

マグロ子おばちゃん(仮称)はそれを思い出してとうとう失神してしまった。

寒汰は帰ろうとする客の中に著名人H氏がいるのを見つけた。

フィリピン嵌りには珍しい東大卒のH氏は、その博識さと人柄で誰からも好かれていた。

ただ、彼の唯一の欠点は人が良すぎるところであろうか。

どんな極悪人にでもきちんと挨拶してしまうのが裏目にでることがあった。

そう、エダモト(仮称)のマグロ子おばちゃん(仮称)に紹介されて寒汰に一度挨拶したことは、彼の運命を完全に狂わせていた。

フィリピンには格言がある。

一度会ったら友人で、2度目会ったら親友。3回目から血が繋がる

しかし、寒汰の場合はこうだった。

一度会ったら親友で、2度目会ったら持ち駒

自己顕示欲が異常に強い寒汰は何より有名人が大好きであった。そして一度でも挨拶すれば、もうその有名人と親友を気取るのだった。二度会ったら、その有名人は持ち駒だと思い込むのであった。

有名人の上、東大卒であるH氏は、異常に学歴コンプレックスが強い寒汰の格好の標的になっていた。

先月、H氏はお忍びでフィリピンに来ていた。そこを運悪く寒汰に見つかってしまったのである。

すると寒汰は早速その日の寒汰ブログでこう書いた。

「俺、今フィリピンに居る。俺の下僕のH氏が俺に挨拶に来た。俺、東大の人間をこき使ってる。俺、賢い!俺、偉い!ゲヒヒヒヒヒ」

フィリピンに来ていることを公の場で公開されては、お忍びでフィリピンに来ていたH氏には大迷惑である。

それに、H氏はそもそも寒汰の下僕でもなんでもない。義理で寒汰に一度挨拶しただけで、本来なら寒汰は口も聞いてもらえない人なのである。

しかし、寒汰は自分が迷惑をかけたという意識は全くなかった。

それどころか、今回、エダモト(仮称)から出て行こうとするH氏にこう言ってのけたのである。

「おい!H!俺、お前のことブログで書いてやったぞ。感謝しろ!東大の人間が俺に感謝する!俺、賢い!俺、偉い!ゲヒヒヒヒヒ」

寒汰のように自分の頭の悪さが極度のコンプレックスになっている人間は、高学歴の人間にネチネチ絡んでは「俺の方が頭がいい!俺、偉い!」と妄想したがる傾向があった。

ともあれ、これ以降、H氏はエダモト(仮称)に二度と訪れなくなった。

怒りに肩をふるわせたH氏が出ていってしまうと寒汰は再び店内に顔をむけた。

すると会計が遅れていたサトー氏が目に入った。

サトー氏はこの日も運がなかったようである。

大殺界なのだろう。

「おい、サトー嬉しそうだな。俺と会えたのがそんなに嬉しいのか。俺、人気ある!俺、偉い!ゲヒヒヒヒヒ」

泣きそうになっているサトー氏の顔をみてそんな妄想ができるも寒汰ならではであろう。

「俺、お前と一緒に飲んでやる。お前喜ぶ。だからお前、俺の分の金払う!俺、節約家!俺、偉い!ゲヒヒヒヒ」

サトー氏は寒汰を睨めつけ、ギュッと拳を握り込めた。しかし何も言わなかった。

ここで何かを言えば、また寒汰ブログでどんな誹謗中傷を書かれるか分かったものではない。

過去には寒汰に根拠のない誹謗中傷を書かれて職を失った真っ当な人間もいるのだ。

寒汰はサトーが黙っているのをいいことにまたがなりたてた。

「おーい!マグロ子、飯を持ってこい!ガンガン持ってこい。今日は金を払うぞ。このサトーがな!ゲヒヒヒヒ」

数十分後、寒汰はいつものように酔っ払っていた。

「ゲフーーーー!フィリピンで飲むのはフィリピンの酒に限る!JINROチャムシルはフィリピンを代表する酒だからな!ゲヒヒヒヒ」

相変わらず、JINROチャムシルはフィリピンではなく韓国の酒だと知らない寒汰であった。

「おい!サトー!いいか?JINROチャムシルはな、この自然な甘さがいいんだ。お前には分からないだろう?ゲヒヒヒヒヒ」

JINROチャムシルは人工甘味料を使っている安酒だということを寒汰は未だに知らなかった。前人未到の味音痴の寒汰にはそんな区別がつくわけもないのだろう。

定食が運ばれてきた。すると寒汰は運ばれてきたおごはんの入ったお茶碗に水をぶち込んでお茶漬け状態にした。

そして、それをグッチャグッチャと汚い音をたてて食べ始めた。

寒汰の唾液が店の端にまで飛び散り始めた。正面に座るサトーの顔もすぐにずぶ濡れになった。

キッチンにまで寒汰の異常に臭い唾液が飛び始めたので店員があわてて裏口に下がっていった。

寒汰は言った。

「いいか?サトー。フィリピンの貧乏人はな、毎日こうやってご飯に水をぶっかけて食うんだ。どうだ?俺、物知りだろう?ゲヒヒヒヒヒ」

フィリピンで余程の貧乏人は本当に食べるものがない時、ごはんに水をかけて食べることもあるが、それは決してお茶漬けのように水に浸すわけではない

そもそも、フィリピンでは通常お茶碗は使わない。平たいプレートで食事をするのである。

お茶漬けのようにしようがないのである。

そんなレアケースな貧乏スタイル、それも勘違いした貧乏スタイルを、仮にも高級とされるレストランで実践するとは、もはや常軌を逸していた。まさに狂人の行動であった。

「おい!サトー!俺はフィリピンのことをよく知っているだろう?だから俺はフィリピン人と相互理解が深まるんだ。ゲヒヒヒヒ」

フィリピン人にとって羞恥でしかないそんな貧乏スタイルの食べ方を目の前で披露されたら相互理解が深まるどころか憎しみしか沸き上がるだけだとどうしてこの男はわからないのだろう。

いや、そんなことが分かるデリカシーをそもそも持ち合わせているわけがないのが、この男のこの男たる所以なのだろう。

寒汰の異常に臭い唾液で顔がびしょびしょになりながら、サトーは考えた。

店のドアが開いて、新しい客が数人入ってこようとした。

しかし、寒汰がいるのを見て皆慌ててドアをしめて走って逃げて行った。

(続く)

クリポッ寒汰

寒汰のドケチぶりはこれまで何度も書いて来たとおりである。

本人自らブログで「自分はドケチ」と認める寒汰であるが、実際の彼のドケチぶりは聞けば聞くほど信じがたいものである。

今日もいくつかの寒汰の異常なドケチストーリーを紹介したい。

筆者はどこまで事実に近く書けるか多少心配である。

事実より過剰な表現になってしまうのが心配なのではない。その逆である。

現実の寒汰のドケチぶりは我々の想像を遥かに超えているので、どこまで正確にそのドケチぶりを再現できるか、自信がもてないのである。

以下を読んでいただければ分かるが、寒汰のドケチのレベルは驚天動地ものである。

アンヘレスのレストランにて

ある日、寒汰は3人の男達と連れ立って、アンヘレスのレストランに行った。

店をでるタイミングになり、男たちはお釣りをチップとしてトレイに残した。

すると、寒汰はそれを全額素早くポケットにしまいこんでしまった。

あまりのことに3人の男達は目が点になってしまった。

アンヘレスのバーにて

ある日寒汰は、アンヘレスのバーで女を連れ帰った。

異常に性欲の強い寒汰は三十分で二発をすませ、すぐに三発目にとりかかろうとした。

女はこのままでは壊されると恐怖を覚え、いったん家に帰らせて欲しいと泣きながら頼んだ

(凹を防護するために、せめてローションだけでも持ってこようと思ったのだそうだ)

結局寒汰はしぶしぶ女が一旦帰ることを認めた。

女はいったん家に帰った後、一時間後けなげにも寒汰のホテルに戻ってきた。

しかし寒汰はどこかに出かけてしまっていた。しかもフロントにも何の伝言もしてなかった。

(寒汰の語学力では伝えることは不可能だったのであろう)

当然、女は部屋には入れない。ホテルの入口で3時間待った後、女は仕方なく家に再び帰っていった。

数時間後、ホテルに帰ってきた寒汰は怒り狂った。

「女が戻ってこない! 約束が破られた!俺、寂しい!俺、怒る!」

そして翌日バーに怒鳴りこんだのである。

全額返せ!

その後、寒汰はこの店に出入り禁止になった。

マニラのカラオケ(KTV)にて

ある日、寒汰はマニラのカラオケ(KTV)に行き女を指名した。

しかし彼女は他にも客がいたらしく、しばらくすると他のテーブルに行ってしまった。

すると、寒汰はその女が席についた時間、そして離れた時間をストップウォッチで測り始めた。

もちろん、指名した女が居ない間は他の女がヘルプとして寒汰の席についているのである。

それにも関わらず、寒汰は会計時にこう食ってかかった。

「あの女は18分しか席につかなかった。請求金額全額の18/60しか払う必要はない!」

あまりの異常事態にマネージャーがすっ飛んできた。すると、寒汰はデジカメを出し、

「これだけの証拠が揃っている!証拠をとっておいた俺、偉い!」

と言い放った。

そして、その女が他のテーブルで接客する様子を盗撮した画像を何十枚も見せたというのである。

その後、寒汰はこの店にも出入り禁止になった。

名刺屋にて

ある日、寒汰は名刺屋の前を通りかかった。「百枚三千円」と看板に書いてある店であった。

店にずかずか入っていった寒汰はこう言い放った。

「俺は10枚しかいらないから300円で作れ!ゲヒヒヒヒヒ」

一緒に居たデビル氏(仮名)は凍りついてしまったという。

筆者は最近、寒汰リークスに寄せられる寒汰のあまりのドケチ伝説には腰を抜かしている。

しかし一方で、あの寒汰ならこれくらいのことはするだろうな、否、現実はもっと凄まじいケチぶりを発揮しているのであろうことは容易に想像できるのである。

今後、読者諸氏や筆者の想像をはるかに超える超絶ドケチストーリーがまだまだ出てきそうであるが、それもまた寒汰という稀代の珍獣ならではのことなのであろう。

 

寒汰からのコメント

先日、このブログに寒汰本人からのコメントが寄せられた。

せっかくなので掲載させていただき、解説を加えたいと思う。

以下が寒汰本人から寄せられたコメントである。

あれ、タイの売春婦をトシヤのおっさんに恵んでもらい結婚してしまったタカタくんではないか。魔韮(まにら)でサル売春婦をサルのように買いあさって妊娠させたタカタくんではないか。そのサルから移された性病でくよくよ悩んでいたがもう治ったのかい?あ、不治の病だったよな。

あれ、寒汰と変わらないなお前も。

相変わらずの妬みに満ちた悪文だが、行間に見える寒汰の本音を一文ずつ解説したいと思う。

タイの売春婦をトシヤのおっさんに恵んでもらい結婚してしまった

どうも寒汰は筆者のパッツン嫁が相当にお気に入りのようである。一度も話をしたことさえないのにそこまで気に入っていただいて恐縮しきりなのだ。それにしても、何をどう勘違いしたら「トシヤのおっさんに恵んでもらった」ことになるのか。

今のパッツン嫁は私が声をかけたのだが、寒汰の脳内では自分の好みの女は全部自分の持ち物だと思っているのであろうか。さすがは妄想世界の住人である。

自分が散々世話になったトシヤさんすらダシにする非常識ぶりには呆れるばかりである。どうりでトシヤさんが寒汰を見放すはずである。

ともあれ、結婚願望が病的に強い寒汰は、自分のお気に入りの女(一度も話ししたことすらない)と筆者が結婚したのを妬んでいることだけはよくわかる。

うちの嫁程度の女であればマニラにもタイにもゴロゴロいる。金を出せば誰でもいくらでも相手にしてもらえるし、結婚も簡単である。

しかし、寒汰のような異常に汚くて臭い男は金をどんなに払ってもそれができないのであろう。同情するばかりである。

魔韮(まにら)でサル売春婦をサルのように買いあさって妊娠させたタカタくんではないか。

中田氏願望が異常に強いのに、中田氏どころか生ですらできない寒汰の怨念を感じる一文である。

フィリピーナは、100%、本当に100%の確率で生でできる。きっと彼女らは金目当てなのだろう(その割に中田氏するのに交渉もなにもいらないが)。そう、金を期待して何でも受け入れてくれるだけである。

しかし、その金を払ってるのにも関わらず生で絶対にやらせてもらえない寒汰はよほど異常に嫌われているのだろう。やはり寒汰には激しく同情をする。

また、自分の買った女は「純情娘」そして、他人の女は「サル」呼ばわりする寒汰の素晴らしい人間性には恐れ入るばかりである。ちなみに筆者は、ハッとするような美人も大好きであるが、類人猿も結構好きである。

そのサルから移された性病でくよくよ悩んでいたがもう治ったのかい?あ、不治の病だったよな。

性病にかかりたくてもかかれない寒汰にはきっと分からないことであるが、違う国で病院にいくのもなかなか楽しいものである。もちろん、ある程度の語学力がないと医師と話すらできないのだが、寒汰がそのレベルの語学力を身につけることは不可能であることも、うらやましがる理由なのであろう。

ちなみに、残念ながら筆者は幾多数多の中田氏行為にも関わらず、未だ不治の病は患っていない。自らの幸運に少々驚いているのは事実である。

あれ、寒汰と変わらないなお前も。

「俺、寒汰じゃないよ!俺が書いたんじゃない!」という悲痛な言い訳が聞こえてくるようである。

わざわざ書かなくても稚拙な文体とワンパターンな話の内容から寒汰が書いたと誰の目にも明らかである。

さらに行間を深く読むと以下の熱烈なメッセージが伝わってくる。

  • 俺、寒汰物語毎日ガン見してる!
  • 俺、寒汰物語を毎日読んで怒鳴り散らしながら怒ってる!
  • 俺が自分のブログでうまく言い訳したこと全部見抜きやがって、俺、悔しい!

つまり、このコメントは、今後寒汰物語をもっともっと続けて欲しいという熱烈な応援メッセージだと筆者は理解した。

今までこの寒汰物語の執筆には遠慮していた部分もあるのだが、こんな熱烈なコメントを頂いたからにはそういうわけにも行くまい。

今後は寒汰物語をもっと過激にしていくこととしたい。