JAL機内での盗撮 – カラオケ(KTV)編 VII

飛行機が離陸すると、寒汰の大得意の盗撮が始まった。

巨大なニコンの一眼レフを思いっきり詩華夜姫尼に向けてバシャバシャと写真をとっているのである。

寒汰はカメラに毛布をかぶせているので気づかれていないと思っており

「俺、盗撮うまい!誰も気づいてない!俺、えらい!」

と一人悦に浸っていたが、周囲の誰もが彼の盗撮には気づいていた。当たり前である。

ついにCAが我慢できずにやってきた。

「お客様!何をやってるんですか! 迷惑行為はやめてください!」

と叫ぶように寒汰に注意した。

すると、寒汰は逆切れして野太い声で怒鳴った。

「俺!盗撮しない!俺、カメラの整備しただけ!」

このあまりにお粗末な言い訳に周囲の者はあきれ果てたが、

当の詩華夜姫(しげよめ)尼は事も涼し気な顔をしながら周囲の者に言った。

「皆さん、大丈夫です。私は気にしてませんから。」

と、またにっこり微笑みながら、寒汰の盗撮カメラに向かってポーズを決めるほどの余裕を見せた。

 

図に乗った寒汰は、今度は床にはいつくばり、詩華夜姫尼のスカートの中をとろうとしはじめた。

さすがにこれには詩華夜姫にもカチンと来たのか、ダイアモンドが埋め込まれた特注のハイヒールで寒汰愛用のニコン製カメラのレンズを蹴り飛ばし、たたき割った。

詩華夜姫尼がきっと睨むと、その気配に押されて、さしものの寒汰も文句は言えなかった。

悪臭をまき散らしながらガタガタ震える寒汰を横目に詩華夜姫(しげよめ)尼は小声で言った。

「ふっ、私もまだまだ修行が足りないわね。」

 

さて、いったんは怯んだ寒汰であったが機内サービスが始まる頃になると、また調子を取り戻してきたようである。

「い、い、い、イカウ!俺のグラスが空だぞ!」

と、偉そうな態度で詩華夜姫(しげよめ)尼に催促した。

寒汰(さむた)に限らず、フィリピンに嵌った汚い臭いオヤヂは、若いきれいな女をみると彼女らが自分に酌をして機嫌をとって当然だと思っている節がある。

というのも、彼らは若い女性には普段全く相手にされず、唯一若くて綺麗な女の子に相手してもらえるのがフィリピンパブだけなので、若い女性というのは全て自分の機嫌をとって酌をする存在なのだと勘違いをしはじめるようだ。

ともあれ、この寒汰の常識はずれな要求にも詩華夜姫(しげよめ)尼はにっこり笑って

「あら、これは失礼しましたわ」

と、CAを呼びとめ、例の流暢な英語でビールのおかわりを頼んだ。

その詩華夜姫(しげよめ)尼が流暢な英語を話すのをみて、寒汰は腰をぬかさんばかりに驚いた。

「い、い、い、イカウ!タガログ語が話せるのか! イカウ、フィリピーナデバ?」

外国語が全く話せない寒汰は外国語=タガログ語、外国人=フィリピーナと思っているのであった。

どうも寒汰のようなフィリピンかぶれのオヤヂの中の世界地図には、フィリピンと日本しか存在しないらしい。

 

CAが機内で、入国用の書類を配り始めた。

海外旅行は初めて。英語は全く理解出来ない寒汰である。

入国カードと143秒間にらめっこした後、詩華夜姫(しげよめ)尼に怒鳴るように言った。

「い、い、イカウ!(俺の)カード書け!」

人に物を頼むのにこの態度は、失礼というよりもはや人間のものではないとさえ思えるのだが

さすがは徳の高い詩華夜姫(しげよめ)尼である。

「はい、喜んで」

と、にっこり微笑みながら寒汰の入国カードを書いてやりはじめたのである。

 

異常に汚くて臭い寒汰のパスポートを見ながら、詩華夜姫(しげよめ)尼は記入を終えた

そして、背景に花が咲き乱れているのが見えるような満面の笑顔で寒汰にカードを渡しながらこう言った

「(以下英語) 全部記入しましたけれども、私、あなたのことはよく存じあげません。ですから申告欄のところは適当に全部 YES のところにマークしました。それで何か不都合があったらご自身で NO に変えてくださいね。私、責任持てませんから。(以上英語) ディバ?

寒汰は全く英語が理解できなかったが、最後の「ディバ?」を聞いてこれはタガログ語だと確信した。

そして詩華夜姫(しげよめ)尼がこう言ったのだと勘違いした。

「私、一目見た時からあなたのことをお慕い申し上げておりました。心の薄汚れた大和撫子なんてお相手するのは嫌でしょうけれども、一生のお願いです。魔尼羅(マニラ)に着いたら真っ先にあなたの部屋に行かせてください。だって私、魔尼羅の滞在中はずっとあなたと一緒にいたいんですもの。ディバ?」

ディバ以外は全く原文と一致しないのであったが、寒汰に取ってはこの程度の勘違い、妄想は日常茶飯事であった。

「ゲヘヘへへ、お前、俺、好きか? 俺、モテる!俺、偉い!」

フィリピンパブに通って国際人になったおかげで、ついに日本人女性にもモテるようになったと思い込んだ寒汰はあまりのうれしさのあまり絶叫した。

あまりの奇怪な声に機外を飛ぶ鳥たちがバタバタと墜落したとも言われている。

 

さて、ニノイ・アキノ空港についた飛行機であった。

寒汰は入国審査すらやり方がわからないのだが、もう不安はなかった。

自分に惚れきっている詩華夜姫(しげよめ)尼が全て代行してくれるから何も問題ないはずである。

恐ろしく汚い股間から異常に臭い液を漏らしながら寒汰はまた「ゲヒヒヒヒ」と笑った。

 

いよいよ寒汰たちの降りる番になった。

既に詩華夜姫(しげよめ)尼が自分の情婦になったと思い込んでいる寒汰は彼女のよい薫りのするかぶりものを乱暴につかんで何か言いかけた。

 

その瞬間であった。薄い紫色の上品なかぶりものだけを残して詩華夜姫(しげよめ)尼は魔法のように消えてしまったのである。

類まれなる法力を持つ詩華夜姫(しげよめ)尼の技であった。

 

そうと知る由もない寒汰は、ただあっけにとられていた。

そして、しばらくすると、詩華夜姫(しげよめ)尼の残した、とてもよい香りのする被り物をパンツの中に詰め込み

「ゲヒヒヒヒ、俺、これ下着に使う!俺、節約家!俺、偉い!」

と、下品に笑っていた。

 

その後、申告書類のみならず姿形があまりに怪しい寒汰は入国審査で別室連行となり

強制送還寸前にまでなりながら、69時間拘束されたことは言うまでもない。

 

(続く)

About plastictakata
暗黒の国フィリピンやパッツン天国タイでばら撒き、自主パト、凸凹するのが趣味の57歳のオサーンです

10 Responses to JAL機内での盗撮 – カラオケ(KTV)編 VII

  1. しげよめ(詩華夜姫w) says:

    詩華夜姫こう来ましたか!

    寒汰ほどではありませんが、英語もタイ語も全くできない、汚いオサーンのイミグレカードは何度も、何度も書かされております。CAのおねいさんにお願いしても、無視されまくっているので、見るに見かねて…。

    彼らって言語ができないだけでなく、旅行者として持っていなくてはいけないもの、「ペン」を持っていないんですよね。そこら辺も理解できないなぁ…。東南アジア風俗雑誌は持っているのに。

    日本人だけではなく、中国本土のビジネスマン(英語も広東語もできない…)にも、何度か書かされてます。 そのうち田舎出身の超金持ち中国人に見初められることを夢見ていますww

    • 詩華夜姫(しげよめ)尼、お忙しい中、出演お疲れさまでした。
      お仕事とはいえ、汚い臭いオヤヂとの共演はさぞ大変だったと思います。

      そう、今回書きたかったのは、しげよめさんから以前聞いていたイミグレカードの記入をお願いされる件なんですよね。
      頼み方が偉そうな上に感謝もしないオサーンはこういうのだろうな、と思って想像して書きました。

      CAのお姉さんに頼むオサーンもいるんですか。
      まあ、彼らはCA=エアホステスを飲み屋のホステスと一緒だと思ってますからねw
      しかし頼んでも無視されるとは知らなかったw

      ペンすら持ってないのは意外でした。海外旅行に必要なグッズを何も持ってないってことですねw
      たしかに私も何度かペンを隣席の人に貸したことはあります。

      中国本土のビジネスマンにも書かされたことがあるんですねw
      イミグレカードに記入するだけで香港あたりの豪邸が手に入れば安いものですねw

  2. キーニャオ says:

    >>若いきれいな女をみると彼女らが自分に酌をして機嫌をとって当然だと思っている節がある。

    そうみたいですね、そして返す刀で、フィリピンやタイの女性は偉い!日本女性は酌もしないから駄目だ、優しくないって日本女性批判になるんですよねw

    • キーニャオさん、

      そうそう、勘違いオヤヂは「日本人の女は酌もしない。俺様の機嫌も取りに来ない!」と憤慨してますよね。

      日本人女性だって、平均月給の10倍くらい金をあげれば、
      汚いオヤヂ相手にだって我慢して酌したり機嫌とってくれるでしょうよw

      あ、寒汰クラスの異常に汚くて臭いオサーンだと
      いくら金をあげても嫌がられると思いますがw

  3. てっちゃん says:

    高田さん、このコーナーは面白過ぎですよ!!!(笑)

  4. ぐーす says:

    私も機内で隣のオッサンのを書かされた事がありますが、さすがに全部Yesにはしなかったなあ・・・・ 残念ww

    • ぐーすさん、

      イミグレカードなんて誰でも書ける程度だし、観光ガイド本には必ず乗っていると思うんですが
      書けない人がどうして異常に多いんでしょうねw マニラ便にはwww

  5. jumpojp says:

    確かに私も入国カードを書くとき隣のファッションセンスのないオサーンからガン見されてる視線を感じることがよくあります。出張でいろんな国に行きますが、そのような視線を感じたのはマニラ線だけです。
    そんなときは必ず声をいっさいかけられないように眉間にしわを寄せて触れれば怪我するぞ的なオーラを放つようにしていますw
    ちなみに中国からの帰国時に中国人女性から頼まれて入国カードを代筆した際には、機をおりてからも迎えに来た家族でみんなでお礼を言いに来てくれました。

    • 声をかけられないようにするのが正解ですね。
      下手に書いてあげると、次々にすごい要求をされた挙げ句、寒汰レベルの買春自慢を聞かされそうですからw

      しかし中国人女性は礼儀を守りますね。
      その後、家に呼ばれてごちそうとかはなかったのですか?w

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