初渡比 – カラオケ(KTV)編 V

2003年の春だった。寒汰は成田空港に居た。

婚約者だとばかり思い込んでいたアイリーンに手ひどい仕打ちに一時落ち込んでいた寒汰であったが

あるネット情報を見て元気を取り戻したのである。

 

それは、「郊外者」と呼ばれるフィリピンベテランを主催者とするサイトであった。

そこではフィリピンではいかに簡単に凸凹できるかが、詳しく語られていた。

寒汰は興奮した。

なにせ、人一倍性欲が強いのに今まで体験したのは歌舞伎町のソープランドで50歳過ぎのおばさんに一度やらせてもらっただけ。

寒汰が運命の女だと思い込んでいたアイリーンは、寒汰のライバル店、ラーメン万景峰号の経営者、ジョンイルや他の客とも毎日凸凹していたのに、寒汰とはただの一度も凸凹…どころか店外デートすらさせてくれたことがなかった。

 

「郊外者」と呼ばれる主催者は、寒汰の無礼な質問の仕方にカチンと来ながらも

感情を抑えるように語った。

「寒汰さん、日本のフィリピンパブはいわば、やらずぼったくりです。フィリピンでは凸凹が当たり前です。魔尼羅(マニラ)にあるLAカフェと呼ばれる援助交際カフェでは、500ペソで十代の…1◯歳の女でも簡単に買えますよ。」

寒汰は興奮した。

生来のドケチの寒汰である。たったの500ペソ(約千円)で10代のピチピチの女とやれる!と聞いただけで居てもたっても居られなくなった。

すぐに金庫の底からパスポートだけ取り出し、着の身着のまま釧路空港まで飛んでいったのである。

もちろん、着の身着のままとはあの10年間一度も洗ったことのない猛悪臭漂うフィッシングジャケットである。

 

海外旅行は初めての寒汰である。

「俺、海外旅行ベテラン! 若い頃、地中海でバカンスを楽しんだ!俺、イケテル!俺、偉い!俺、偉すぎる!」と寒汰のブログ「魔尼羅・盗撮バージン(別名: 好きです買春フィリピン)」に書いてあるのだが、

それはもちろんいつもの見栄っ張りの大嘘である。

 

初めての成田空港で戸惑う寒汰。

なにせ海外旅行は初めてなのである。勝手がまるで分からない。

まごまごしながら、なんとかチェックインカウンターにたどり着いた寒汰であったが

そこで妙な安堵感を覚えた。

そのチェックインカウンターは、知る人ぞ知る悪名高き魔尼羅(マニラ) 行きの便用のカウンターで

凄まじく悪趣味な服を来た汚らしいオサーンたちと品物を超過重量になるまでめいっぱい持って帰ろうとするフィリピーナが独特の暗黒の瘴気を放っていたのである。

一般人であれば、この魔尼羅行きの便の搭乗者の群れをみると、気分が悪くなるのだが

寒汰はこの集団の中にいると不思議な安心感を覚えた。

さっきまでの不安が嘘のようである。

周囲から聞こえてくるアコディバ語を聞きながら寒汰はこう思った。

「俺、今日から国際人!俺、カコイイ!俺、偉い!」

 

2時間後、寒汰は暗黒の瘴気が渦巻く機内に着席していた。

ふと、フライトアテンダントに案内されて一人の貴婦人が寒汰の隣の席にやってきた。

どうやらビジネスクラスがオーバーブッキングでエコノミー席に回されたらしい。

彼女は尼僧らしく被り物をかぶっていたが、その美しさと高貴さはまるで後光を放っているかのようであった。

寒汰は知る由もなかったが、それがかの高名な尼僧、詩華夜姫(しげよめ)尼であった。

 

(続く)

 

About plastictakata
暗黒の国フィリピンやパッツン天国タイでばら撒き、自主パト、凸凹するのが趣味の57歳のオサーンです

2 Responses to 初渡比 – カラオケ(KTV)編 V

  1. しげよめ(詩華夜姫ww) says:

    うはー、私が登場してきた!なんか興奮します<3(興奮の鼻息)
    寒汰にナニされるんだろう…。
    楽しみにしてまーす!

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