自爆テロ – アドボ子物語 VII

期待した新品の iPhone 4 ではなくチャイナ iPhone (しかも中古w)を渡されたアドボ子はもはやあきれ果てて口もきけなかった。

それを見た寒汰は「嬉しさのあまり、声もでないか。俺、買い物上手。倹約した。俺、偉い!」と、醜い体を小躍りさせながら喜んだ。

そして、「俺、高級 iPhone (実際は似て非なるチャイナ iPhone)買った。お前、俺に奉仕する。当然。」と襲いかかってきた。

「アヨコ!」(嫌だ)とアドボ子はきっぱり言ったが

「何? アコいいよだって?ゲヒヒヒヒ。俺、男らしいからな。」

と、寒汰はまた勘違いして疲れきったアドボ子の体を無茶苦茶にするのだった。

その日ズタボロになって家に帰ったアドボ子は、寒汰との連絡用に使っていたSIMはどぶ川より汚い近所のパシッグ川に捨て、寒汰からもらったチャイナiPhoneはすぐに質屋に持ち込んだ。

値段はわずか143ペソにならなかった。

また暗澹たる気分になるアドボ子であったが、これで寒汰と縁が切れたと、むしろせいせいした気分であった。

一方の寒汰はアドボ子と連絡がとれなくなった理由が全く分からなくなっていた。

「アドボ子、俺を愛してる(はず)。でも、アドボ子俺に連絡できない事情ある(に決まっている)。アドボ子可哀想。俺、悲しい」

と、またとんでもない勘違いをしていた。そして寒汰は連絡のとれなくなったアドボ子に会うために、ついにある決心をしたのだった。

翌月、いつものように魔尼羅に来た寒汰はなんとその日からLAカフェで寝泊りをはじめた。

もちろん、他に連絡場所を知らないアドボ子を捕まえるためである。

「俺、LAカフェ大好き。フィリピンの魅力、LAカフェだけ。だから俺、24時間居ても平気。」

寒汰がLAカフェにこもること49日に及んだ。風呂に全く入らない寒汰のあまりの悪臭にさしもののLAカフェは客が激減し、オーナーたちは恐怖におののいた。

「これは警察による手入れ以上の大打撃だ。あの異常に汚く臭い日本人は、アメリカの人権団体が送り込んだ自爆テロか?」

アドボ子は寒汰がLAカフェに居座っている噂を聞いて、死んでもLAカフェには行くまいと思っていた。しかしやがてLAカフェオーナーや売春仲間に説得され、長男TJの病気のこともあり、49日目とうとうLAカフェに姿を表した。

(※ この49日間の寒汰の自殺テロ行為は手入れでLAカフェの全歴史の中で最大の苦難だったと後の世に語られることになる)

店に陣取っていた寒汰は以前以上にさらに汚く臭気を増していて、その姿を見てアドボ子は人生何度目かの失神をしそうになった。

しかし母は強し。長男TJの透析費用が二ヶ月滞っていたことを思い出し、アドボ子は一瞬で気持ちを切り替えた。

「ハニコー、I missed U so much! アイタカタヨー。アコ、携帯盗まれた。だから電話できなかた。アコ、可哀想デバ?」

それを聞いた寒汰は「そうかそうか携帯なくしてたか。携帯をなくしたら連絡手段はないからな。」

と勝手に納得していた。

フィリピン人は重要な人物の電話番号くらい簡単に暗記するので携帯が盗まれたことは連絡なくなった理由にもならないことを寒汰が知る由もない。

(続く)

About plastictakata
暗黒の国フィリピンやパッツン天国タイでばら撒き、自主パト、凸凹するのが趣味の57歳のオサーンです

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